南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

Shanghai2011第四天:LRT・豫园

古镇シリーズ的流れでは市南部の新杨古镇を目指したかったけども、意気消沈ぎみなのとアクセスが不確かなことから中止。上海古城である豫园で締めておこう。最終日は無難に近場で。
昨日と同じ明堂YH脇の鸡蛋饼を食べ、朋友にメールを送って今日の日程へ。

LRT

Light Rail Transit。日本語で路面電車(またはライトレール)、中国語で有轨电车*1。先日中日新聞のサンデー版で、上海にもLRTが走ることを知った。なんでもレールが一本というのが興味を惹いた。出発前にネットで調べると、地下鉄张江高科駅より東方に伸びている。好条件だ。KaifengLRT作成の参考に是非乗ってみようと思った。
LRT张江地铁站の乗り場は少々分かりにくい。指示に従い最寄らしい出口に上がると、信号の対面にバスターミナルが見える。この後方に停留所があるのだが、隠れて見えない。暫く他の口からも出入りして探した。結局、地下鉄の通る祖冲之路を少し戻ると、张江高科旧駅*2がある。この高架の向こう側に架線を見つけた。

张江地铁站

おぉ、たしかに一本レールだ。発車案内は13分間隔で表示されている*3。地図上に地下鉄線とLRT線を描いた案内掲示がある。LRTは一度地下鉄と交差し、その交点付近に广兰路祖冲之路という駅がある。そういえば地下鉄2号線に广兰路って駅があったな。その辺で降りて適当に歩けば地下鉄で帰れるだろう。まずは終点まで乗りつぶし、折り返しで广兰路祖冲之路に降りればいい。

車両入場

自動車と同じ「上海XXXXXX」(沪ではない)のナンバープレートをつけていることから、鉄道ではなく車の類に位置づけられていることが分かる。三両編成。真ん中の扉は乗車用、前後両端が降車用。この乗降構造はそっくり真似てもいいな。運賃2元を車掌のオネエに払うと切符を呉れる。切符の裏面には路線図が記されている。

発車前の車内

割と広さを感じる。路面電車としてはこんなにワイドでなくてもいい。まだ知名度が低く、新興開発区を走るため、乗車率は終始こんなもん。大量輸送で活躍するころには、このゆったり感がきっと役立つだろう。
開発区の道路とはいえ、道幅はさして広くはない。よって軌道上を他の車両が通行しても構わない。停留所はすべて安全地帯が設けられている。全体的に右左折の多い、曲がりくねったルートだ。张江镇の中心部以外はあまり人気がなく、乗降も少ない。終点の张东路金秋路などあまりに何もなくて、折り返しまでの時間つぶしに苦労。二枚目の切符をもらって車内に佇むのみ。
广兰路祖冲之路では走行風景の撮影に挑戦。照りつける日差しの下、12分待った甲斐あり。

上海LRT

推したとおり地下鉄广兰路駅は目と鼻の先だった。

あの馄饨店に再会

山东中路を南から入ってスグの左手に、どうも見覚えある雰囲気の店があった。正面奥にスープの具の札がズラッと並ぶ掲示板、カウンター前の冷凍ボックス。まさに明堂YH近くで閉店してしまったはずの馄饨店であった。ここに移転してたんかいッ!! ていうか、元からあったのかもしれないし、连锁店なのかもしれんのだけど。兎に角、また食えるというのが嬉しかった。しかも新たな食どころと決めた山东中路にあるのは好都合だ。さっそく全素馄饨に舌鼓をうつ。独特の皮厚馄饨は変わらない。食の満足度は超高水準。

豫园

歩くにゃタルいし、地下鉄では遠回り。いいバス一本ないかな、と昼寝しながら地図を広げ思案。江西中路を走る17路に汉口路で乗り、老北门下車。古城北口の丽水路から旧校场路にかけては、観光商業施設がド派手に建ち並ぶ通り。これは撮るのも見るのもバカバカしい。造りこそ極彩色の中華式なのもあるが、これが老街ならガッカリだ。旧校场路の中ほどで脱出したものの、沉香阁に興味は湧かず。目抜き通りを抜けると方滨中路。これぞ本物の上海老街。
先に豫园をみるため、旅游商城へ踏み入る。ここは巨大な御土産天国。物産店の迷宮だ。一日虱潰しに彷徨ったら、目当てのものが見つかるかもしれない。でも今は豫园の入口があれば結構。西门より入場。票价40元。1559年につくられた、超有名な庭園。楼閣や築山には各々美しい名がつけられているけれど、ここは文字より画のほうが語りやすい。

豫园

堂や楼閣の赤、水の緑色透明、木々の深緑、岩石の灰色などが巧く組み合わされば、どれも絵になる。これでもっと静けさがあれば、てのは贅沢すぎか。園内には書画の展示館もある。およそ反時計回りに巡って大门から出る。商城エリアをブラブラしていると、西瓜のカット売りを発見。「ここでは一串5元」なんて言われたら消沈するので、もっと巷で見つかりゃいいのに。
沉香阁路から生活感漂う裏道を通って老街へ。玉などの工芸品を売る店が多い。なにより、旧校场路と違って背丈の低い建物の並ぶところが好感だ。しかし豫园は、一度は来たくても一度来ればもう十分。今後上海でツアー利用する必要性がなくなった感じ。
帰りは10号線にリベンジ。豫园から南京东路まで1駅分なのに3元取られた。初乗りは2元におさめて欲しい。やはり同線は出来が悪い(豫园アクセスは向上したが)。

学食風套餐

きのう独学青年が食ってた晩飯の套餐(定食)が、河南大学の中央食堂でしばしば食べたのに酷似していて、物凄く懐かしかった。そこで最終日の食事はちょっと贅沢して、永和豆浆で黑胡椒鸡排套餐(黒胡椒かけチキンカツ定食?)を食す。外見は日本の弁当屋の弁当そのもの。ご飯とメインの鶏肉と野菜などの副菜が3,4種盛られている。1食23元はそこらの食堂と比べたら2-3倍、河大の学食に比したら10倍近い。けれども、安宿・節約の旅をしてきた彼も、最近は多少高くても確かな味のものを食べたいと欲するようになったそうだ。まぁ長く暮らそうと思ったら、こうした栄養バランスの取れた食事も必要だ。食べ始めたら水気が欲しくなって、青岛啤酒1瓶を追加。すると、今度は大米が食べられなくなった(-_-;)。
そのノリで山东中路のタバコ屋さんに行き、友人から頼まれた中南海を求める。ちゃんと外からお目当てのパッケージを確認したはずなのに、8mgも10mgもカートンでは置いてないといわれ、ガッカリ。やむなく红塔山を買った。専門店に行けばあるんだろうか。これ以外の土産は空港でも何とかなるだろう。
つづく

*1:地下鉄駅の乗換案内表示で初めて知った語。因みに无轨电车(または単に电车)はトロリーバス

*2:2号線が上海浦东机场まで延伸される前は地上駅だったらしい。まだ高架部分と廃止された駅コンコースが残っている。

*3:KaifengLRTも12分間隔で作成中なので相応だ。