南蛇井総本気

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

金与正氏の行く末を案じる

歳のわりに老けているとも言われる金与正だが、政治的手腕や立場抜きで正直いって間違いなく美しい。容姿だけでいったら妻にしたいくらいだ。

それだけに思うのは、今回平昌五輪を契機に対韓外交の表舞台へ出てきた与正氏が、今後どうなるか、だ。実兄の金正恩をも差し置き父正日の後継者に挙がった時期もあるという、優れた政治力だそうだ。指導部のなかでも高い職位に就き、正恩を陰で支える裏の指導者ともいわれる。一見恐ろしそうな金ファミリーの一員に思えるが、彼女の地位は決して穏やかではない。美女軍団や五輪選手も含め、北朝鮮が対外的に人民を諸国へ送り出すとき、それは絶大な忠誠心への信頼とともに、彼らが赴く先々で体制を汚すような失態を犯すかどうか試す機会を兼ねている。つまり出張者の外地における言動を逐一監視し、その如何によっては帰国後に地位を剥奪されることもありうる。そしてそれは、たとえ実妹といえども、ではない。親族だからこそ、よりその危険性が高い。今日における金氏三代世襲体制は、親族の粛清によって築かれたといっても過言ではない。近年突如粛清された正日氏の妹婿張成沢氏はいうにおよばず、異母兄弟であるがゆえに存在をすら消されたものも少なくない。ましてや兄の正恩より政治力に秀でているといわれる与正氏のことである。本人の真意に関わらず言動の些細な部分で反逆と解釈されれば、実妹だから庇護されるどころか抹消を目論む正恩の思うつぼ。さらに有能さも仇となり、たとえば外交活動で実力を発揮しすぎたり韓国と単独極秘ルートの交易で私財を肥やしたりすれば、やがて指導者の絶対的地位を脅かすものとみなされ失脚に直結する。

もちろん直ちに亡命せよ、とは一概に言えない。このような命懸けで兄の政治を補佐することにより、北朝鮮外交が平和的に導かれうることも事実である。現状においては、北朝鮮にとっても国際社会にとっても、亡命も粛清も等しく悲惨な外交手腕の喪失にほかならない。われわれはただ、与正氏が継続的に外交の場へ現れ職務を果たす姿を見守り、それにより安定した地位が剥奪されていないことを確かめ期待し続けるしかない。