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南蛇井総本気

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

京都嵐山

日帰り鉄路遊び集

長らく交流している中国朋友がついに悲願の日本個人旅行を実現、先週から1週間の日程で大阪・奈良・京都を母と周遊している。前々から自由な来日を希望していたからとても喜ばしいし、いつかは日本で会いたいと思っていた。名古屋から一番近くて交通至便なのは京都と考えると、急に無性に京都へ行きたくなった。そんなわけで京都滞在の最終日にちょっと同行させてもらうことに。私自身京都は昨年の長岡京を除けば10年以上ご無沙汰なので案内どころではない。
朋友の企画では、16日は嵐山観光ということになっていた。ホテルのある四条からJR山陰線利用とあったから、嵐電のほうが便利だよ、とアドバイスしてあげる。これはもちろん自分が嵐山行くなら嵐電乗りたいなぁと即座に思ったのが先であり、嵐電四条大宮を起点としていたのは寧ろ偶々。四条大宮はホテルから徒歩数分で、同じ距離を歩いて地下鉄に乗りJR京都駅という一大ターミナルへ私を出迎えるのは足労だと思う。

のぞみでゆく京都

朝9時に着きたいので、東海道新幹線のぞみの指定席券を14日に事前購入しておく(人生初めて)。乗車時間36分と乗車券と指定席券の計5600円を、これまで経験している中国の高速铁路と比較してみると如何に日本の交通費が高いかが分かる。たとえば、去年利用した上海-苏州間のGは乗車時間33分で39.50元だが、さきの5600円を現在のレートで換算すると310元くらいになる。おそるべし。
6月18日天津-北京間以来?の新幹線。日本では滅多に乗らないので外国人並みに不慣れ。17番ホームから望む駅西口のビックカメラが妙に絶景だった。車内ではWi-Fiが使えるもののノンストップで乗車時間があっという間なので、スマホ握ったまま車窓を眺む。東から射す日光も障ると思う間に進行方向が変わる。新幹線からは琵琶湖は見えないということを知り、彦根城や並走する近江鉄道の電車が見えなかったのは残念。

ぶらり京都四条

市営地下鉄烏丸線との接続はよく、ICカードmanacaも使える。名古屋の地下鉄は近年車両のモデルチェンジが進んだせいか、京都地下鉄はとても古風な趣を感じる。オレンジ一色で光る駅名表示板や駅構内の壁の色合いや、車両も鶴舞線の3000形に似ている。京都地下鉄って第三軌条じゃないんだ、と思ったら、後で近鉄が乗り入れていることが分かって納得した。
烏丸通中央分離帯がないのは市電が走っていたころの名残だろうか。政令都市クラスの幹線道路でこれだけラフな造りも京都ぐらいではないかと思う。交通量的にも走って渡れてしまいそうな感触。国際観光都市として認知されるわりに、歩道は広くないし市バスも燃費悪そうだし地下鉄もそうだけど、あまり歩きやすいとは言えない。
ホテルマイステイズのコンセプトはビジネスホテルらしく小ぢんまりとしたロビーだけれど、宿泊者の8割くらいが中国・台湾人でビックリ。ユースホステルやゲストハウスよりはプライベートが確保できて7、8000円と手頃なのが要因と思われる。

嵐山電車

京福電鉄嵐山本線(通称:嵐山電車・嵐電)の四条大宮駅は、阪急大宮駅のターミナルの一角にある。運賃は全線均一200円。切符は券売機で求めるが改札では何もチェックしてくれない。
  
路面電車のような一両編成で吊り掛け駆動式。底から響くようなモーター音がたまらない。家々が犇く住宅地を縫うように走る。かと思うと、まさに路面電車といえる併用軌道区間もある。大阪の阪堺電軌に似ているな。
  前面展望。
ちなみに全線複線で、四条大宮の駅構造といい併用軌道といい、京都市電の郊外路線だったのではないかと思う。
西院(さい)、太秦(うずまさ)広隆寺帷子ノ辻(かたびらのつじ)といった京都らしい独特な読みの駅名が並ぶ*1広隆寺は下り電車が駅を発した途端、立派な門が目に飛び込んでくる。
終点嵐山の一歩手前、嵐電嵯峨にて下車。駅前の踏切が妙に古めかしさを感じて撮る。

直後、入場してきた対向電車の動態撮影に成功!!
 とっても満足。
嵐電も交通系ICカードの相互利用が可能で、復路はmanacaを翳した。

嵐山公園

彼女のプランでは清涼寺など北のほうを歩く予定だったが、人の多いほうへ適当に流されてゆくうちに嵐山公園へ。世界遺産天龍寺から嵐山駅周辺にかけては土産物屋がびっしり並んで賑やかなり。強い日差しと外国人だらけの人ごみに辟易して、ウッカリ渡月橋をスルーするところだった。
 
観光客で混雑する中、水防訓練が行われる旨を伝える広報車が巡回し、橋上や橋詰の周りには各メディアが集まっていた。
お知らせ : 京都新聞
川底は浅くさらさらと穏やかに流れる桂川。しかし、山が近く一度増水すれば暴れ川となりうる。

橋より上流はせき止められ、大堰川として遊覧船やボートが楽しめる。この辺が結構風光明媚で、旅行者もぐっと減って静かだ。
 
実は嵐山公園の主な部分は、左岸の亀山公園と渡月橋を渡りきったところの中ノ島で、私たちが歩いていったところはあまり知られていない。川伝いに踏み入っていって少しだけ山道を登ると千光寺。小さな観世音菩薩のお堂と展望台があり、桂川の清流とトロッコの線路、そして京都市街が遠くに望める。たしかに絶景。寺社巡りにすぐ飽き買い物と食事にしか興味が沸かないというお母さんも、この静かな景勝地には連れてきたら良かったのに、と二人で悔やんだ。初めての貴重な海外旅行とはいえ、緻密なスケジュールと世代格差がお互いストレスとなり親子喧嘩していたというから、何とも気の毒で大変だ。
時折ボートの往来する川辺に座って、気ままにビールと軽食を楽しみながら過ごした。彼女とは大抵こんな過ごし方になってしまうけれど、旅行とくに長旅では1日2日こうした休息日が必要であり、日帰り旅の私も全然損したとは思わない。寧ろ独りだと良い風景でも落ち着かないし歩き回ってしまうから、都合よかった。
  中ノ島から見た桂川渡月橋
嵐山でも圧倒的に中国人が多く、ツアーで来ているのか個人で来ているのか分からなくなりそう。そして、どこへ行っても私は完全に外国人と見間違われた。これだけ多くの日本人と外国人に接しているのに、僅かな差で国籍を見抜く感性は地元民には身につかないものなのかな。定番の土産「八ツ橋」は京都駅で買えばよいし、日本でも中国でも怪しいものを買わせようという手口と声音は酷似しているので同様にスルーできる。
ただ、街角で見つけた湯葉ソフトクリームだけは食べていきたいと思った。豆腐料理が有名な京都らしい発想だ。外見は普通にソフトだが、かすかに大豆の風味がある。

おわりに

15時過ぎと時間的に余裕があるので、在来線を乗り継いで帰った。各快速の接続が順調で、2時間強で名古屋に着いた。彦根駅に停車中の近江鉄道の電車がパトカーの形にカラーリングされていて面白かった。
鉄道を多様に楽しめて、また直前直後を仕事で固められた休日に観光であくせくしないゆったりした時間を過ごさせてもらって朋友に感謝している。

*1:街中なのに「山ノ内」ってのは別として