6時起床、朝風呂。昨晩と男女入替でこっちの湯船が広いことを知る。朝食のバイキングも欲張らず、普段どおりのご飯とみそ汁に山菜や海苔の佃煮などをバランスよく選る。その浜名湖海苔と舘山寺みそのセットを土産に買い、きっかり8時にチェックアウト。
弁天島08:12発の浜松行きはなんと、ワイドビューの普通列車!コンパートメントで優雅に出発。
遠鉄
浜松より遠州鉄道線で西鹿島へ行き、天浜線の旅の起点とする。そもそもこんな企画になったのは、名古屋豊橋往復切符の東端二川と天浜線の西端新所原の、僅か一駅分の接続の不便さが発端。スタートが手間どるうえに、向こう端の掛川まで長く本数も限られる。折角一泊踏んだので、天秤の中心から始めるのが効率良い。ついでに遠鉄も乗れるし。
愛称でもある「赤電」のほか、直虎ちゃんや家康くんラッピング列車も走る。単線で各駅のホームは狭い。幾つかの駅で島式ホームの右側に停車することがある。車内アナウンスによれば、沿線には医療系の学校が多い。
西鹿島駅窓口で天竜浜名湖鉄道1日フリーきっぷ(1700円)を入手し、いよいよ全長約68kmを往来する。
二俣
まずは二俣本町。天竜川と山に囲まれた小さな城下町。本田宗一郎記念館までは微妙そうなので、軽く道に迷いつつ2つの城山を登る格好となった。
森町
遠州の小京都と呼ばれる森町は必ず寄りたいスポット。途中の天竜二俣や遠江一宮各駅舎は登録有形文化財に指定されている。
また、塩田じゃないんだと思った円田(えんでん)は私の直感どおり「一円の田畑」が由来だった。
遠州森駅から目的の街まではやや距離があり、50分の滞在時間は少し厳しい。レンタサイクルを利用すべきだったと悔やみつつも、町並みは歩いてこそだと拘る。しかし、情緒ある街道筋は期待ほど残ってなかった。
山長をはじめとする製茶の老舗が点在する。天宮神社までぐらいは行けると思ったが、ずっと手前で折り返し。三島大明神ぐらいお参りしとけば良かったな。仲町の商店街には面白い造りの玩具屋(跡)があった。帰りは戸綿駅のが近いんじゃないかと脳裏をよぎりながらも最後は小走りで森駅に駆け込むと、ちょうど列車の扉が閉まったところ。運転士に開けていただいて滑り込みセーフ。
掛川
ここは30分間で昼食をとって折り返すだけの予定だったが、駅南口の㐂膳で山かけとろろそばを頼んでいるうちに間に合わなくなった。ここは新幹線駅の待ち時間などに素早く食べられる店として口コミでも好評だっただけに、混雑する昼時とはいえ残念である。何より、天浜線最大のイベントともいえる天竜二俣駅での「転車台・鉄道歴史館見学ツアー」を逃す羽目になったのが非常に痛い。しかし、とろろ汁は掛川名物であって、名店でなくても温かいとろろそばを食べておきたい拘りもまたあった。グルメ関係でいうと、実は「たまごふわふわ」も掛川だと思い込んでいて是非食べようと意気込んでいたのだが、これは袋井であった。ともかく20分くらい待たされたとろろそばは美味しかったが、店員の手際は今一つ。
JRでわざわざ掛川に来る機会もそうそうないので、腹ごなしに少し歩いておこう。
折角だから掛川城を見物。
御殿だけでも拝観しようと思ったが天守と共通券なので、外観だけで諦めた。
気賀
行きは10分停車、帰りは5分間の乗継に留まった天竜二俣駅。せめて表の機関車公園ぐらい眺めていきたいのも堪え、次回に託す。最後の途中下車は、気賀(きが)。昨日の新居関が東海道なら、こちらは姫街道の気賀関がある。
駅前の藤田屋大判焼*1が焼きたてを求めて賑わっている。水路(要害堀?)を辿っていくと、赤池様。
明応の大地震の際に、新居町の角避比神社のご神体が流れてきて、漂着した場所。そのご神体を祀ったのが「地震の神様」とも呼ばれる、細江神社。
境内各所に巨樹大木。確かにどんな大津波からも護られそうな安心感がある。
線路を横切って気賀関所へ。
見学無料の所内は、姫街道中の様子や通行手形などが展示してある。幕府に献上されたゾウが長崎から江戸までの道中に気賀を通った話は興味深い。当時の衣装にお着替え体験して記念撮影する人が目立つ。
浜名湖畔から帰途へ
本日知波田~三ケ日間で開催されたさわやかウォーキングの影響か、新所原まで終始乗客が多くボックス席にありつけず。しかし思ったほど浜名湖って車窓から見えないものだな。一番接近する浜名湖佐久米駅ですら、東名高速に遮られ風景が台無し。三ケ日付近は猪鼻湖だし、純粋な浜名湖を望む機会は2日間通じて僅かだった。
17時ちょうど新所原到着にて、天浜線の旅は終了。駅構内にはうなぎ弁当の店がある。真新しい橋上駅からJRに乗り換え、豊橋からは新快速で快調に帰宅。
おわりに
さすが旧国鉄線だけあって駅と旧市街が些か離れており、小1時間の途中下車散策は結構厳しいものがあった。今回逃した「転車台ツアー」については、新所原~天竜二俣間限定の「奥浜名湖満喫きっぷ」を利用して日帰りでリベンジしたい。
完
*1:「おおあんまき」じゃなくて「おおばんやき」