南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

孟州

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十字坡で人肉饅頭を出す居酒屋を営んでいたのが、菜園子張青と母夜叉孫二娘の夫婦。流罪で護送中に立ち寄った武松が、酒に毒を盛る孫二娘の怪しい動きを察して返り討ちにし、それが縁で3人は義兄弟の契りを交わす。そもそも武松の綽名"行者"は、のちに蒋門神らを惨殺して逃亡する武松に2人が提供した変装衣装からきている。水滸伝で大活躍する英傑もこうした影役に支えられている。

この十字坡や、金眼彪施恩との出会いを生んだ流罪先が、孟州だ。現在の河南省北西部、焦作市一帯にあたる。現在孟州(Mengzhou)市という県級市があるが、宋代の行政単位としての孟州はもっと広範囲になる。

孟州 (古代) - Wikipedia

チキショー、もうちょっと早く知ってれば焦作や济源編のときに水滸伝スポットとかチェックしていったのに。水滸伝ゆかりの地は河南と山东にまたがるエリアだと思い込みがちだけど、結構広範なんだよな。

 

追記(訂正):ちゃうやん、十字坡は山东聊城やないか。

十字坡(地名)_百度百科 *1

チラ読みして、莘县と河南范县の境界付近なら、第3回帰郷旅行のとき通ってるわ、と思った。その日は阳谷の景阳冈を訪れて濮阳に向かう途中だったので、おそらく武松さまが導いてくださったのだろう。知らずに通るなんて失礼だわな。

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*1:凄い奇遇。この文章内に人肉叉烧(チャーシュー)って書いてある!

最近河南ヲタクと思われてるかもしれんけど

そもそも当初留学先の第一希望は、兰州だったんだよな。大学の友人が青海省出身で、憧れて青海省に行きたくて、留学仲介業者が手配できる大学一覧で最も青海省に近い兰州大学を選んでいた。んで、たまたま同じくらいの学費の安さで目に留まった河南大学が、水滸伝で馴染みの开封にあるということで、一気にそっちへ傾倒しちゃったのな。あのまま兰州を選んでたら、高校時代に水滸伝を読んでハマってなかったら、と今ふと思うことがある。青海省へは行けただろうけど、甘粛省制覇!とかやってるだろうか。兰州でなくて河南だからこそ2、3年おきに通える、ちょうどいい位置なんだと思う。まあ未だに青海省どころか兰州すら踏めてないけれども、今しばらく憧れにしておく。ぎゃくに兰州行ってたら开封を訪れてたか、かなり疑問。たぶん西安は行ってたと思うね。双方からだいたい同距離だろ?

まあ縁というのは分からないものだよ。でも他省に比べると、河南は本当に歩きやすい。カネにがめつくないし、ぎゃくに想像以上の厚意を受けることがある。騙されたとか不快な応対をされた事例が全く思い浮かばない。安心感が蓄積されてるから、河南人を自然と信用できる、だからまた厚意を受けられるという良い循環ができてる。

600円のコース料理


www.youtube.com

じっさいにやってみた。(「トリビアの泉」のナレーションのトーンで)

材料

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ネタ一式

テリヤキバーガー味のうまい棒が意外と単品で売ってなくて、最初に見つけたヨシヅヤで一式集めた。後日マックスバリュにもあった。焼肉さん太郎と蒲焼さん太郎もバラ売りはあまり多くなく、これらを一括で揃えるスーパーは珍しいほう。したがって、ハーゲンダッツバニラに関してはドンキのほうが単価は安く、コスト減の余地あり。

  • やまぶどうスカッシュ→ファンタグレープ73円
  • うまい棒てりやきバーガー味11円
  • 焼肉さん太郎+蒲焼さん太郎13×2=26円
  • ハーゲンダッツバニラ2個267×2=534円

計:644円

この時点だと赤字だが、ファンタを約半分注ぎ、焼肉さんと蒲焼さんのいずれかを選ぶとすれば、約50円は削れる。また、前述のようにハーゲンダッツの単価を200円程度にすれば、十分利益を出せる。

下準備

うまい棒を真水に浸す。

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うまい棒を浸す(初日)

浮いてくるのでラップで封じる。10分程度でかなりふやかるが、律儀に三日間浸け込む。何せ、これがメインみたいなもんだからな。

饗する

本来はちゃんとした食事であるべきなのだが、実際はほぼ菓子類なので食後に決行する。まずはドリンクから。

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飲み物(ファンタグレープ代やまぶどうスカッシュ)

まぁドリンクバーだな。
いよいよ主役、しょっぱいテロテロしたもの、ご登場です。

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前菜

最初は、なんだ塩分抜けてねーじゃん、と思ったものの、よくよく味わうと確かに塩気の落ちたテリヤキバーガー味に醤油がかかったもので、納得した。これはまだ、食えないものではなかった。

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スープ

パッと見、わりと普通のスープにも見えるけど、これが一番最悪だった。薄くて菓子の脂が漂ってて、前菜ほどもテリヤキバーガー味がしない。あとにハーゲンダッツが控えてるから何とかこなせるようなもので、ネタで楽しめない方には相当酷な代物だと思う。企画から自己責任だから完食したけど、普通なら吐くか棄てる。

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メイン(焼肉さん太郎と蒲焼さん太郎)

ちゃんと選べるようにした。見た目は大差なく、もはや平行法立体視。つか、そもそもこの菓子の食感を忘れ去っていたので普通に懐かしく噛み噛み楽しめた。メインとファンタで口直ししながら、懸命にスープを流し込む。業だと思った。

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デザート

ネタだからね、この場で2個食べきる。これがまた美味しくて、アイスクリームでも2個食うと重くなってくるものだが、さすが高級品だけに程よい甘さでくどくならない。むしろこのまま何個でも続けられそう。「ハーゲンダッツをつまらない買い方してるだけじゃん」とはいうけれど、ホント業みたいなテリヤキバーガー味を凌いできたあとのハーゲンダッツは口福以外の何物でもない。バニラ2個が最高に映えるひとときを演出していると思う。

秋の愛環(I can)プレイ

愛知環状鉄道には長らく1日フリーパスがなく、また普通運賃も高めなことから乗り遊びは敬遠されてきた。このほど、土日に乗ろう 秋の愛環(Aikan)1dayパス(下線部は季節により変動)が発売されたことから、悲願の“I Can Play !”と相成る。とはいえ、学生時代にしばしば利用した瀬戸市区間を除くと、豊田・岡崎方面は意外とめぼしい降り鉄スポットがない。これだけは、という箇所をピックアップ。

有人駅でしか発券してもらえないので往路は高蔵寺を回避し、名鉄瀬戸線瀬戸市駅へ。最初リニモも乗りつぶせる八草で組んだが、時間と運賃がかさむだけで却下。久しぶりに乗る瀬戸電急行の車窓は、喜多山駅の高架化工事など激変を感じさせる。

1000円の1dayパス購入。岡崎⇔高蔵寺と書かれた飾り気のないきっぷで、改札機に通すと「定期券」と表示される。なるほど、期間1日の定期券か。車両は相変わらず、青帯と万博時に導入された緑帯の2種類。山口駅から先は未知の区間で新鮮味がわく。複線化はまだまだ未完だが、並行する用地の確保された区間が目立つ。八草駅を発してすぐの高架下に見えた八柱神社というのがちょっと気をひき、同駅起点にしなかったのを一瞬悔やんだ。

保見

古城跡と飯田街道を散策したくて真っ先に選んだ。

歴史と桜道をめぐるコース(保見ケ丘・保見・田籾町エリア・基本)

これに学園・里道と飯田街道めぐりコース飯田街道筋を合わせて貝津駅まで歩く。

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保見駅の車掌車

高架駅の薄暗がりにひっそりと展示された車掌車。ここに移された経緯は不明。

保見ケ丘に向かってぐんぐん登っていく。古賀池を前に県道を離れて下り始めると、蓮池の傍らにこんもりと見える小山が伊保東古城址らしい。池のふちから登れるのかと近づくも、道らしき道なし。また古城と示す札すらない。上は中学校グランドらしく、石碑は同校門前にあるという。

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伊保東古城跡

保見は、このような砦になりそうな丘がいくつも散在するところ。いつの間にか愛環のトンネル上を歩いていることにも気づかず。少しでも並木道に入ると涼しい。東古城が物足りなかったので、事前にチェック外だった射穂(いぼ)神社も脇道ながら立ち寄ってみる。石段でなくコンクリート舗装の参道は長い。丘の上の小さな境内。

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射穂神社

鎮守の森から集落まで物凄い急坂を一気に下り大鳥居にて振り返ると、遠目にみる神社の小ささに驚く。伊保西古城へは散策道がついており、標高119mの丘陵上に石碑と遺構が残る。10分足らずで登れる丘の標高が120mってのも、もともと小高い土地なのが窺える。東古城と違って、こちらは史跡整備されてる。

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伊保西古城址

貝津までの時間を考慮しながら田園風景を楽しむ。

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田園景観散歩道

風情ある飯田街道を狙ったのは間違いで、交通量が多く歩道も断片的な県道55号線を歩かされるだけだった。まぁ瀬戸街道と似たようなもんか。貝津駅での乗車時刻に間に合わせるか1本遅らすかも迷いつつ調整しつつの行軍だった。貝津町にさしかかり、やっと街道らしい脇道にそれることができて暫し安らぐ。旧道筋に面する貝津神社

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貝津神社

貝津駅着と電車入場はほぼ同時。1本ホームでよかったわ。も少し先の伊保町に足伸ばしてたら街道情緒を味わえただろうか。

岡崎

まずは乗りつぶし。チャリでは遠征したことある豊田市街を突っ切る。四郷がアナウンスされると、「~慎め」と続けたくなる。新豊田駅では改札口から回廊状の通路が伸びており、ペデストリアンデッキ名鉄豊田市駅と接続されているようだ。この辺の名鉄三河線との位置関係は混乱しやすい。春の渥美チャリン行で通った中岡崎駅からは岡崎城が望める。昼はここの八丁村で摂る案もあった。

終点岡崎駅では東端の0番線に着くが橋上駅なので直に東口へ出られない。TOICAの乗換改札機をスルーして、JRとの共用改札に1dayパスを通す。目線近くまで高さのあるデッキフェンスのため広場を見下ろせず、どこをどう歩いているのか全く見当つかない造りは宜しくない。さっさと地上に降り立ったほうが賢明だと思いながら、どうにか出会いの杜公園に。

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岡崎駅前の松平元康像

ドミー*1で弁当を買い、公園で食べて折り返し。

大樹寺

徳川家(松平家)の菩提寺として知られる。「だいじゅじ」が一般的だが、道標などでは「だいじゅうじ」と刻まれている。大門駅より徒歩15分ほど。食後なのでのんびり歩く。平坦な道のりだったのが寺目前で登り坂に。この門前橋(柿田川)から多宝塔を望むアングルが良かった。

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門前橋より大樹寺を望む 

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大樹寺本堂は幕末の出火で全焼し、倹約の下に再建された。いっぽう、山門や多宝塔は300年以上前に建立されたもので、とくに寺内最古の多宝塔は1535年松平清康公により建立され国の重要文化財指定。本堂の阿弥陀如来像を拝観し、有料の宝物展示はパス。代わりに多宝塔と、松平八代墓所を参拝。天然記念物の椎は見落とした。

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大樹寺

また、大樹寺山門前より総門(現・大樹寺小学校南門)を通して、岡崎城天守閣を一直線に望むことができる(ビスタライン)。

寛永18年(1641年)、徳川家光は家康の十七回忌を機に、徳川家の祖先である松平家菩提寺である大樹寺の伽藍の大造営を行う際に、「祖父生誕の地を望めるように」との想いを守るため、本堂から三門、総門を通して、その真中に岡崎城が望めるように伽藍を配置した。これが現在に続く眺望景観の由来とされる。(Wikipedia 大樹寺

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山門から望むビスタライン

好天に恵まれ、肉眼では天守閣を確認できる。画像ではこれが限界。正確にまっすぐではなく総門フレームの右寄りに収まるので、山門からの角度次第では見えないかも。しかし徳川家もよくこだわったものだし、後世まで脈々と保全されているものだよ。

名鉄挙母廃線跡

名鉄挙母線は、岡崎市の岡崎井田から豊田市の上挙母までを結んでいた路線(岡崎井田~大樹寺岡崎市内線)。三河鉄道によって開業し、名鉄に吸収合併後1973年に全線廃止。一部は国鉄岡多線(現・愛知環状鉄道線)建設用地に転用された。この廃線跡の一部が遊歩道として整備されていると知り、歩いてみることに。

三河豊田駅挙母線時代はトヨタ自動車前駅)から岡崎方面へ、矢作川渡河手前の新東名高速道路に行き当たったら折り返そう。ちょうどその辺りに渡刈駅跡があり両駅間は約3㎞だ。

三河豊田は本旅初めての中間有人駅。トヨタの本社工場を背にした駅前からしばらく高架橋に沿っていくと、細い遊歩道に入れる。国道などを横断しながら住宅地の中を進む。廃線跡の遊歩道だけに、島式ホームをイメージさせるような趣向がチラホラ。そして、岡崎方面へ緩やかに下っている。住宅地が途切れるころに周りを見回すと、軌道線だけが小高い位置をたどっているようなちょっと不思議な地形が浮かび上がった。

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挙母線跡緑道

全線単線のはずだが複線化用地のような側道が並行する箇所もある。そんな不可解な広がりの一つが、渡刈駅との中間に一時的に存在した鴛鴨(おしかも)駅跡らしいと後に知る。平坦な田園地帯に出ると軌道を見失いそうになる。あと、おやつを食べたいが貴重な水場の蛇口が外されているのには閉口した。

ようやく見えてきた、渡刈駅を模した休憩所。

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渡刈駅跡

すごい、架線柱まで再現してある! 石積みのホームや簡素な待合室も当時っぽい。蜂に付きまとわれながら一休みしていると、ウォーキングやジョギングを楽しむ人々が頻繁に往来する。川や高速で寸断されているのがまた適当なコースになってるんだろうな。三河豊田駅から片道40分程度だったので、このまま折り返せば予定より1本(15分)早い電車で帰れる。いい読みだったわ。

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三河豊田駅にて

ところが、高蔵寺で乗り継いだJR中央線普通は、先行する快速の春日井駅での車両点検により神領から10分ほど遅れが生じた。まぁ快速に接続できてたら不満もあったろうけど、普通電車なら遅れても知れてる。思ったより歩いたけど、千円で愛環乗り遊び楽しめて満足。

 



*1:三河地方を中心に展開するスーパーチェーン。本社岡崎