南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

大量破壊兵器、どこにあるんだろう?

Nanjai2004-05-01
 J・ブッシュ米大統領がある映像に出演して、ホワイトハウスでの会話シーンが問題になっている。自室のベッドやタンスの下を覗きながら、「ここにはないな、じゃああっちだ」などと大量破壊兵器を探し回るギャグの場面で、映像としては笑いをとるつもりだったようだが、時期が時期なだけに反発を買っているようだ。イラクが大量破壊兵器査察を妨害・阻止しようとしたことから、所持の疑いは濃厚として侵攻に踏み切ったアメリカ。大義はまさにここにあった。ABC(核・生物・化学)三兵器と称される大量破壊兵器は、いずれも見つかっていない。見つかるはずはない。イラク国内にはないからだ。イラクは査察前、開戦前または戦中に海外へ輸出したのだ。それが残党勢力の戦費になる。核兵器は技術とともに近隣諸国へ、生物兵器はテロリストの手によって米国へ、といった感じに。アメリカ人に言ってあげよう、大量破壊兵器は君たちが持ってるじゃないか。そこだよ、そこ。そこってどこ?何かのCMみたいだからヤメ。
 民主党もこれに乗じて反発している。この戦争のために出兵した多くの米国人は一体どうなるのか、といったことを焦点にしている。むろん、大統領選を睨んでの行為に違いないが、共和対民主の選挙ではイラク戦争の是非は問われないだろう。それは民主党がこの戦争に対して、別の大義を持っているからだ。「大量破壊兵器なし」は問うが、「イラク戦争は無駄だった」は言いはしない。つまり民主党が問うのは、大義の内容・質であって、大義を基に起こす戦争ではない。西欧諸国が指摘するように、イラクに民主政権を樹立させることは正しい大義になる。これを民主党が否定するだろうか。これを否定できれば、アメリカもかなり進歩した国になるだろう。詳細はいつか述べる。結:焦点が大量破壊兵器までとは、二大政党制も限界があるね。【2004/03/29/PM】