南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

廈門Feverの旅 5:广州~深圳、帰国

“広東の朝は鈍い”
2日目の深圳でも感じた地域色が、とんだ慌ただしい帰途を演出した。

广州(Guangzhou)

列車はダイヤより10分早く、广州东に到着した。早めに設定した目覚ましは車掌の切符交換に勝ったが、終点でもないのに早々と車内の照明がつけられ眩しい。この車両の乗客はみな广州降車なのだろうか。もしそうでなかったら5時前なんてまだ眠っていたいだろうに大迷惑。
どこの出站口を経たのか定かではないが、地下鉄3号線のB2出口前で開門を長らく待たされていた記憶がある。同じように早朝の列車で着いたばかりの旅行者などが大勢出口付近に犇めいていたのを覚えている。この開放時刻が又しても6時半~7時くらいの焦燥感を煽る時間だったと思う。その間、駅構内をうろついては香港直通列車なども検討してみたが、さして早い始発でもなかった。もどかしさに苛まれつつも当初の計画通り、地下鉄で广州南高铁站へ移動し、起点である深圳北へ戻ることにする。
すでに逸り始めていた心は、せっかくの广州地铁試乗も無惨な経験となる。駅へ入場できるや否や我先にトークン(6元)を買い求め改札へ急行。朧気に紫色のトークンだったことを覚えている。3号線で客村(Kecun)→8号線で昌岗(Changgang)→2号線で終点の广州南站と辿っている。今考えてみるとこの経路も奇異なもんである。もし違う出口を通じて1号線を利用していたら乗換は一回で済んだはずである。广州地铁の广州东站付近は3号線の支線やAPM線などが複雑に絡み合っていて、方向性を見失うのも事実だ。ともかく先のことが心配で、ほとんど残像のないトリップであった。幸い深圳へのGは本数が多く、現時点に直近の列車に乗れる。〔列車情報:G6211次、广州南08:20発-深圳北08:56着、二等座74.50元〕
あとであらためて地図を見ると、广州って香港よりも西で地理的には行き過ぎになるんだよね。この遠回り行程ってどうだったんだろう。広東圏の中心都市としてスルーするのもどうかと思うし。

香港へ急げ

やっと見知った場所へ戻って幾分安堵しつつも、あと3時間で香港国際空港へたどり着かねばならない。やはり香港島へ入境せず、一度でも慣れた道を折り返すのが安牌だと決めた。ちなみに今日は市民中心から2号線一筋で蛇口港。つごう2号線は両端各一駅分を除く全区間乗りつぶしたことになり、深圳地下鉄もわずか3日間ながら最も乗りつぶした中国の地下鉄網となった。
蛇口码头は薄暗い構内が物凄い混雑していて何が何だかわからない。とくに黒人の旅行者が多かったのが印象に残っている。ともかく遅くとも12:15の便に乗らねば、と必死で香港機場行きの列に並んだりしていると係員に捕まり、英語で乗船手続きとは別に何かをやってこいという。指示された先には航空会社ごとの搭乗手続きカウンターがあった!! この瞬間まで流れを全然知らなかった筆者である。帰りのSkypierのチケットは残留しないが、長距離バスのような薄紙の票は手にした記憶がある。11:15の便に乗船。ちなみに運賃は260人民元で、往路の220香港ドルより高く感じられた。最終日の人民元支出がすべて交通費であることも一日の慌ただしさを物語る。待合場でしばし土産物店を冷やかすゆとりはあったが、軽食すら買っていない。

帰国

下船後も導線に従って搭乗ゲートエリアへ。他の利用者を見よう見まねで深圳の港でもらったレシートを投じて立ち去ったら、係員から呼び止められ120香港ドルを返された。これが空港使用税の「退税」だとは事後に知る。まるでショッピングモールのように広大で綺麗な免税店エリアに着き、空腹が極限に達しても尚落ち着く暇はない。フォーマルなお土産を買わねばならない。会社用にパイナップルケーキ(凤梨酥)、個数確保のため10個入とミニサイズ18個入を購入。実家用に烏龍茶葉を用意してようやく帰国準備完了。モールの端にある売店でチョコドーナツをほおばってお腹を宥めた。コインの区別がつかず小銭の扱い方が分からないため、香港ドルは札ばかり雑に使った。

17日は全く支払わないなど準備額の40%も残った人民元は、再両替で1万円余も返ってきた。一方、無駄に硬貨へ崩してしまった香港ドルは20ドル分も記念として残ることに。今回のような旅行ルートは以後考えられないので処分したい。
土壇場で買い求めたお土産はそれなりに好評であったが、土楼の帰りに見かけた逸品も忘れ難いので自ら再訪するか练ちゃんに買って来日してもらうかしてお目にかけたいと思う。


廈門Feverの旅 完


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