南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

新春志摩島々の旅 3:賢島・鵜方

新春志摩島々の旅 2:磯部・答志島よりつづく)
今日は早寝早起き、7時半には朝風呂。しかしスマホの充電が不十分で退室は8時過ぎ。しかも多くの宿泊者と出発が重なり、なかなかエレベーターが掴まらない。偶々2機同時に下りてきたのを1機開いて満員だから見送った途端、もう1機に通過されブチ切れ。思わず壁殴ったら出血したのに気づかぬまま領収書を受け取ってて、若草堂で湯呑を取ろうとした真っ赤な右手を見るまで全然自覚なし。第二関節が2カ所小さく擦れただけだし、余裕不足の自分のせい、ホテルの満足度は落ちない。

若草堂で朝食

8時半に入店。前回は自動ドアのチャイムが電源入れてなくて気づかれなかったと思うけど、今日は普通に店内に居た。昼間の一昨日と同じく朝定食のメニューがないので、朝伊勢うどんとする。

モーニング伊勢うどん

食べログには、2年ほど前の朝定食の画像投稿がある。その辺りを境にやめてしまったのかも。赤だしがちょっと恋しい。
独り食していると、稀に早朝営業に気づいた伊勢参り客が入ってくる。おばあちゃんは奥にいると客の気配に気づかず、声かけないと些細な物音ぐらいでは出てこない。客がテーブルに置かれた拍子木や鈴を鳴らしてみているのを見て、内心笑ってしまう。喧騒な参道とは別世界のような、侘しく控えめな店が妙に好きだ。

賢島

昨日と全く同じ普通電車で終点の賢島へ。穴川のトンネルを抜け、車窓から旧線跡を探しているうちに志摩市街へと下ってゆく。志摩スペイン村へのバスが発着する鵜方では、親子連れなどがドッと降車する。賢島は島とはいうものの、志摩半島とは川1本隔てるのみ。セントレア関空のほうがずっと島感覚ある。
ホテルリゾートの真っ只中にポトリと降り立つような賢島駅。駅前には数軒の真珠店が建ち並ぶのみで、クルーズ船に乗らなかったら何もすることがない。目ぼしいスポットを頼りにプラリと散策。
真珠屋街の西側にこんもりとした小山、円山公園真珠貝供養塔などがある山頂の芝生広場は全然見晴らしよくないが、斜面を少し海側に下りると隠れビュースポットを見つける。

円山公園より望む英虞湾

複雑に入り組んだリアス海岸の英虞湾では、どのくらい見渡せているのか分かりにくい。賢島はかなり奥まっていて、志摩半島の細い南端部(さきしま半島)は見えず、正面に多徳島と横山島という小島が見えてるのらしい。

出港するクルーズ船

極彩色の派手な客船はエスパーニャクルーズなのだが、てっきり九鬼水軍が建造した鉄甲船をモチーフにしてんのかと思ってしまった。
島内は、ホテルや別荘の合間を縫うように道路がはしっており、起伏が激しい。少し道に迷って、賢島金刀比羅宮

賢島金刀比羅宮

小さなお社だが、賢島の大事な鎮守様であろう。そのまま整った散策道を伝ってゆくと、温室や芝生公園などがある。ホテルで朝食前に散歩したりするところだろうな。

藤棚会談

藤棚会談(Wisteria Trellis)
1987年4月24日~27日、四極貿易大臣会合(四極通商サミット)が志摩観光ホテルで開催され、この藤棚の下でアメリカ、カナダ、EC(現在のEU)、日本の代表が本会議を前に会談を開きました。

伊勢志摩サミットとは別の会合も過去にあったんだ、へぇ。このとき漸く、いつしかホテルの敷地内を無断で歩き回っていることに気づいた。山上プールや植木の剪定作業員の背後などをすたすた通って、賢島駅を北からぐるっと回り込んで戻った。

G7伊勢志摩サミット開催記念モニュメント(賢島駅北口)

サミットでG7首脳が伊勢神宮にて記念植樹した神宮スギの1本が、左手に植えられている。苗木から5年余でだいぶ成長したようだ。
最後にもう一度、英虞湾をぼんやり眺める。

岸壁から望む英虞湾

昼前に軽~く運動になった。

鵜方

志摩市の中心地、鵜方。ここから路線バスに乗り、志島や大王崎に行く案はまた次回。思いのほか静かな駅前を北へ歩くと、住宅地の中に潜む宇賀多神社。杜こそ間近に見えてもなかなか境内に至れず、隣の棲鳳寺へ出てしまうなど路地を右往左往した*1。昼食込み1時間を急いて、やや慌ただしく参拝。神木の竹柏(ナギ)を見落とした。

脇参道の二股の木

鵜方駅へは戻らず志摩横山へ向かうも、やはり曲がりくねった路地に難儀した。線路沿いに出れば楽勝と思いきや、想定外の登り坂に驚く。そうしてやってきたのが、志摩横山駅前の国道に面したお食事処ふじみや。ギリギリまで食事しても乗り遅れないと目星つけてきたんだ。さっと食べられるラーメンや丼でもいいと思ってきたけど、「おふくろの味」など触れ込んであるので思いきって定食を選ぶ。

豚汁定食

お椀に赤だしの豚汁かと思いきや、鉄鍋にたっぷりの豚汁と彩豊かな小鉢のおかずが並び、思わず撮ってしまう。さらには、金柑湯もそっと添えてくださる。どれも美味しくてご飯が足りない。これで850円はおトク。ふと壁のメニューを見やれば、鳥羽のふる里館と同じく伊勢志摩の新鮮な魚介の品々も並ぶ。JRではちょっと来づらいけど、ここもアリだなぁ。帰り際に「またお越しください」と声を掛けられ、また新たなリピートスポットを獲得した気分。電車の時間にもピッタリ。

帰り途

宇治山田駅にてお土産選びがてら、名古屋行き急行との時間調整。平日且つまだ昼過ぎという伊勢帰りには早い時間帯のため、赤福店頭もファミマも赤福餅の箱が高く積まれている。帰り際に赤福餅がこんな豊富な店頭は、初めて見る。大抵帰りに買おうと思って午前中に赤福店舗前を通り過ぎ、帰り際になって売り切れを知らされ、松阪や津などを転々と探し求める羽目になる。だが、今回は近日中に家族へ届けられないので別のお菓子(伊勢茶つづり)を買う。自分だけでも食べたいと思い、2個入り個包装の「銘々箱」を買おうか思案する。以前はプラスチックパックで3個か4個入りがあった気がする。存分に時間が余り、Time’s Placeうじやまだの休憩スペースでコーヒータイム。
帰りの車窓からは斎宮の公園がよく見えた。以前訪れたときよりも更に整備が進んでいる。
jaike.hatenablog.jp
nakasete-evo.com
ところで、この斎宮と伊勢の間に明野と明星という2駅があるのだけど、決して「明けの明星」を意識した命名ではないらしい。偶然にしてはよく出来た地名だと思うがな。

定番イベントばかりで印象に残さないつもりだったが、離島の空気を吸ったり新たなお気に入りを見つけるなどして一層伊勢志摩に愛着を深める旅となった。今度こそは赤福買って帰りたいね。

*1:アプリナビに従うと、東向きの大鳥居へ誘導してくれないのも一因