(Short Trip 小豆島 2よりつづく)
今朝は少し早めに起きられた。全日程好天の旅行も近年は珍しくなった。ここ旭屋旅館には2泊とも、一日の疲れを癒すお風呂と、さわやかな朝食を提供していただき快適に小豆島を過ごすことができた。今回日中の食事処には一苦労したので、また機会あれば地元の味覚満載であろう夕食付きで利用したい。心身さわやかに旅立ち。
小豆島周遊(3)
土庄を名残惜しんだのち、小豆島を北半周する。もともと島北岸の旅館を目していただけに、北側を通るのが今日一度っきりなのは些か残念。
土庄港
旅館間近なのに今朝初めてゆっくり散策。オリーブの木々茂る海辺の公園。
朝と夜しかいない場所なので、光と影のバランス難しいチャンスしかない。背面のほうが鮮やか。
まもなく高松からのフェリーが入港する。つかの間の長閑なひととき。
豊臣秀吉の大阪城築城にあたり、小豆島から多くの石材が搬出され石垣や城壁などに使われた。島の沿岸部には採石場の史跡がいくつもある。後年の大阪城改築等で取り外された大石のうち、小豆島産と断定されたものが400年のときを経て返還(里帰り)されたという。
オリーブバス北回り福田線
今日はフリーパス対象外なので1乗車に収めるべく、土庄港からオリーブタウンまで歩く。土渕海峡や迷路の町など、昨日めぐったところが思い出深まる。
バスは、土庄を発すると間もなく南岸を離れ、一山越して北岸へ出る。馬越の峠の上に大きな観音像がそびえている。そこから一気に下って海が開けたところは、まさに絶景だった(屋形崎)。一人感激するも、バスは決して徐行してくれない。それどころか福田港までただの一度も停車せず、貸切状態のまますっ飛ばしていく。一度だけ煽りみたいな挙動のクルマとニアミスした。
本州との間に目立った島影はなく、岡山県の沿岸部がはっきり見える。渥美半島の三河湾対岸よりも近く感じられる。石切場跡の大阪城残石記念公園では、海辺にごろごろと並ぶ巨石が見える。積年の理想ルートだった岡山・日生港からのフェリーが発着する大部港、小さな港町ながら北回り福田線沿いでは一番の集落。今回は予約を逃した小部のかつや旅館。北岸や山間部を改めて巡る機会にぜひ利用したい。その小部から福田港までは人家も途絶えて、ワインディングロード。GWを謳歌するツーリングと行きかう。300円のバス独り占め遊覧、楽しかった。
福田港
乗船まで丸々2時間、乗継の余裕というよりは余韻に浸る時間が欲しかっただけ。フェリーターミナルに売店はなく、港周りにも店舗は限られてる。唯一小綺麗に営業する土産物屋春日堂を時折冷やかしつつ、あとはただ小豆島の空気を吸い込みながらぼ~ッと過ごす。福田の集落散策さえしない。昨日映画村で素麺買ったけど、そいえば帰ったら妹夫婦と実家で会うんだ、菓子系要るじゃん。旅館で供された茶菓子のうち、オリーブジャムを挟んだオリーブクッキーを春日堂に買い求める。フェリー接岸直前に缶ビールを飲み、ほろ酔いで乗船を待つ。お昼はしまBenを船上でいただく。
帰途
基本的に往路と同じ(近鉄は全区間急行利用)、中継ポイントは異なる。
小豆島フェリー
往路と同じ、左舷に席をとる。(南向きはこの時間帯暑そう)
瀬戸内海の島々を愛でるつもりだったが、目ぼしい島がないのは朝のバスでもう知っている。食後は数独解いたりボンヤリと過ごす。
福田出港、姫路入港ともに定刻よりやや遅れ気味。一応待ってはくれるだろうけど神姫バスへの乗換が心配で、接岸前に下船口へ急ぐ。その船上から見たのは、乗船ゲートからターミナルビルまでびっしりと並んだ客の列。48時間前とは到底似つかぬ光景に、平日行っていま帰るので正解だと思った。
姫路~名古屋
初日は確実性重視して山陽電鉄と神姫バスを姫路駅で乗り継いだ。けど、山陽姫路-飾磨間は神姫バス94系統とほぼ並行している。時短のため重複区間をカットしたい。飾磨工業高校前バス停から飾磨駅が徒歩圏内とみて、接続を試みる*1。駅前商店街を目印に歩くも、一度線路を視界から消すと不安を煽られる。まぁセーフ。
安堵感から、概ね転寝。神戸三宮にて、当駅始発となる快速急行に乗り換え。阪急も乗り入れており、同列車を間近に見る。快急は近鉄奈良行きだけに、愛らしいシカが車内に散りばめられている。
五十鈴川方面への急行は、難波ではなく大阪上本町発着。よって、上本町以東の平面乗換可能な駅として、鶴橋を選ぶ。到着が1分遅れで危うかった。鶴橋下車史上初めて、コリアン市場に行かなかった。伊勢中川で名古屋行きに繋ぐ、最少中継・最速の名阪急行移動。今日乗った電車は全部ロングシートで終始休みづらかった。
さて、一昨日は万一ICのエリア跨ぎによる姫路出札時の精算トラブルを恐れて、大阪難波で一旦改札を出入りし近鉄分を処理した。今日の道中よくよく調べたら、PiTaPaポストペイエリアは山陽電鉄全線から近鉄全線まで範疇と知る。したがって、飾磨から近鉄名古屋まで一度も改札を経ずに乗り通した。トータルじつに5時間半。ほぼPiTaPa圏の西端から東端だよね。
名鉄直結改札を抜け、急行を西春まで乗り友人宅を訪問して帰宅。名鉄電車と名鉄バスを乗り継いでもmanaca乗継割引が効くことを知る。
『二十四の瞳』ロケ地とオリーブの島、長年憧れの小豆島を思い描いてたままに周遊できて楽しかった。また、関西の私鉄を乗りつないでいったことから、色々と学びが多かった。諦めきれない日生~大部航路と、寒霞渓など山間部を目当てにもう一度訪れる機会があればと思う。
終