南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

韓国と北朝鮮の合同チーム「コリア」

コンゴ共和国コンゴ民主共和国の合同チーム「ゴリラ」。

今後も当分「一つの民族、二つの国家」が維持されるだろうし、それが一番平和的に望ましいんじゃないかな。核放棄も終戦宣言もすべて二国状態を守るための工作であり、南北いずれの側からも強行な統一を目指さず両国同士互いに尊重し合うことで、結果として金正恩体制が保障されることを目論んでいるに違いない。臨戦状態と国家統一の放棄、それは核放棄よりもずっと勇気の要る決断だと思う。ただ同じ条件を韓国側にも突きつけられるだけ有利だわな。

THE 四国一周!! 5:さよなら、四国

四国を名残惜しむ、オマケの一日。徳島では曇天、和歌山からの帰り道には快晴となり、思えば行程に影響する雨天は昨夕ぐらいで限定的だったな。

徳島 その2

まるで温泉のように体の芯までしびれるような熱さのスパで目覚め、無料予約制と思しき朝食バイキングを覗いてから7時過ぎにチェックアウト。胃腸が重いものを受け付けないので、サンドイッチと豆乳の軽い朝食。四県で唯一、終日上着が手放せない肌寒い徳島。
この日は朝一で眉山に登りロープウェイで降りてくる予定だったが、前日の雨による山道の悪化と当日の強風を懸念し、市内散策へ切り替える。

新町川


橋詰に阿波踊りの像が載る両国橋のたもとで朝飯を食べてから、水際公園を散策。岸にはひょうたん島一周遊覧船乗り場がある。このひょうたん島というのは、吉野川の分流である新町川助任川などに囲まれた中洲のことで、徳島駅や市役所などがある市の中心部だ。あとで地図を見ると確かにヒョウタンの形をしており、マクロで見ないと気づかない徳島市の地形に感心。

LEDのイルミネーションが綺麗だという人道橋、ふれあい橋

西面(右画像)には、阿波の地に伝わる狸の物語が2つ、南北の端から描かれている(「夢のラクーン」)。阿波(金長)狸合戦は有名な話で、ジブリ作品『平成狸合戦ぽんぽこ』でも四国の長老狸を「化学(ばけがく)」の師として招聘するくだりで金長が登場している。じつは香川から徳島への行程では、屋島などの狸伝説スポットを訪ねる案さえ浮上している。
対岸は、しんまちボードウォークという木の遊歩道。足元はあまり意識しなかったけれど。

新町橋より望む眉山

徳島中央公園

春日橋にて川と離れ、線路を渡って城山へ。ポッポ街というアーケード商店街がちょっと惹かれる。駅側は松屋の横が入口だったのだが、初日は全然気づかなかった。少年野球の大会でも始まりそうな小学校グランドを過ぎると、山裾に沿って石垣が現れる。


さらに登山口を探しながら進むと、錆びたレールの先にひっそり展示された蒸気機関車
四国の駅前に静態保存されたSLは、これで4件目だ*1。この環境は少し不気味さを漂わせる。機関車と反対のレール端は城山へのトンネルまで延びており、その断面には「徳島鉄道年表」と路線図が描かれている。
連郭式と呼ばれ、いくつもの曲輪で構成される徳島城。しかし、木々がうっそうと茂り湿度もあって、櫓や二の丸跡などはあまり印象に残らない。本丸跡もまた広く開けているものの、ぐるりと木々に囲まれ見晴らしは全然良くない。僅かな隙間から望めたのは、南東方向と思われる。

東側から下ってきて、ふと振り返るとSLの保存小屋が見え些か落胆。さいわい伊予街道よりは手前に跨線橋があり、幾分迂回は避けられたが。

築造に携わった蜂須賀家政蜂須賀正勝の子)
みたび、徳島駅

地下の一番館には特産すだちの銘菓が豊富に並んでいる。価格の割に内容量が充実しており、品定めに苦心する。軽さと香りを楽しめそうな点から、「すだちケーキ」が四国土産代表となった。ちなみに土産は徳島港売店でも買えた。

帰り道

さて、これから午後いっぱい要して名古屋へ帰る。行きは高速バスで約4時間半(¥7500)の道程を、帰りは南海フェリー・南海と近鉄で9時間かかった。フェリーこそ四国観光の一部だが、ざっと流すように記していく。
まずは、徳島市営バス南海フェリーターミナルへ。毎時2本ほどの運行だが利用者は疎らで、終点で降りる乗船客も多くはない。ターミナルは乗船する車で混雑し、バス停に接車するのが難儀。

南海フェリー

本来フェリー航路の徳島~和歌山(片道)だけの運賃で2000円のところを、徳島港から南海電鉄の主要駅まで2000円で乗れるという「好きっぷ2000」近鉄運賃とこの企画切符こそ、帰路に高速バスを捨てた所以である。むしろ往復さえ「好きっぷ2000」でも良かったが、徳島駅に朝一番という絶対条件は譲れなかった。また南海電鉄特急券なしで特急の自由席に乗車できるため、和歌山からなんばまで特急サザンを利用でき時短可能。最小乗継でいけば徳島~名古屋を4500円ほどで結んでしまう粋なトリップに惚れた。
乗船40分前に余裕をもって11時発のきっぷを購入。昼時の船旅を優雅に楽しむため、売店で弁当とすだち酎を求める。弁当に関しては船内でも特色ある商品を販売しており、惜しいけど売り切れるのも早かろう。狭い待合室は十分混んでいたが、同乗者はクルマとともに乗船するのでこの場に居ないと考えれば、その混み具合にはもう少し危機感が持てただろう。


乗りこんで早々座席を争奪する客を尻目に、デッキへ出る。晴れているものの強風に煽られる。テーブル席をゲットして出航を待つも、とても落ち着いて酒食を楽しめるものではない。

もう一つのテーブルに来た家族連れも強風に耐えかねて、即移動。自分も諦めて奥のベンチで弁当を広げたところ、案の定ゴミを飛ばされたww(乗務員に回収させたので笑い事ではない)。食後はカップ酒片手に紀伊水道の海原を眺める。初日は仮眠中に素通りした鳴門大橋や淡路島が遠望できる。
吹きさらしに飽きて船室へ入るも、座席から絨毯スペース、ラウンジに至るまで居場所は一切残されていなかった。混雑に応じて開放されたドライバー室さえも埋め尽くされ、壁際に座り込んで転寝するのが精一杯。まるで中国の超満員列車みたいだ。

南海電鉄

13時和歌山着の便には和歌山港発のサザンは接続されていない。普通で和歌山市まで1駅移動し、特急に乗り換える。名鉄セントレア行き特急(一部指定)と同じく、自由席車両はロングシート。乗車中は終始スマホを弄っていて車窓に関心なし。隣に東南アジア系外国人のグループが座っていたのだけ記憶している。ちなみにこの区間は、和歌山・紀伊風土記の丘版阪和線とかぶっている。和歌山からなんばまでちょうど1時間。

近鉄

南海と近鉄の両なんば駅乗換は地上経路で調べてあったが、現地の案内板に従って地下を移動したらものすごく混乱した。人の流動が激しいのと方向感覚を失いながらあちこち歩かされるのとで、猛烈に疲弊した。かかった時間はそれほどでもなかったが。
大阪を通るからには短時間でも鶴橋に寄りたいと考え、25分間途中下車した。このために駅改札から近い「肉ホッペ」の店を調べておいたのだ。最後に食べたときの店はとっくに記憶がない。そもそも鶴橋の高麗市場が駅の北東に位置することすら勘違いしていた。結構急いで買ったので、タレが付属してないことに注意を払わなかった。よって少し味気ない再会となった。ホルモンの弾力とニンニク風味は申し分なし。
近鉄大阪線河内国分あたりで席を確保できてからはスマホに没頭し、気づいたら青山だった。伊勢中川からの名古屋行きは1,2分程度の接続と思い込んでいたので、てっきり乗り遅れたと焦ったがダイヤどおり17分待ちだった。この勘違いで帰着が30分遅れるも、まぁ誤差と言えるでしょう。

おわりに

百聞は一見に如かず。漠然と抱いていた四国へのイメージが、予想通りもあり幻想を覆されたこともあり。各県つまみ食いながら特色を発見できて面白かった。旅人や現地人との交流は期待ほど叶わなかったけど、鉄道趣味も満喫できたし日本列島の空白地帯がまた一つ埋まって良い旅であった。

さよなら三角、また来て四国。

*1:宇和島、内子、伊予西条に次ぐと思われる

四国探索、失敗

四日間の調査の結果、四国全域でプリンシェイクは見つかりませんでした。残念。そう気安く行けるところではないので、結果を出せないと悔しい。

ポッカサッポロ機が一番多く目についたのは、香川県でした。旧サッポロ系なのかな。

THE 四国一周!! 4:愛媛~香川~徳島

雨天は出発前から想定されたが、敢えて予定を大きく修正せず決行。午前中はほとんど降られず、午後も東へ移動のため愛媛県内はほぼ逃げ切れたw

愛媛 その2

松山

道後温泉つづき

朝食は7時半からなので、6時過ぎに起床し椿の湯へ朝風呂に出る。折り畳み傘を持って階下に降りたが、フロントでキーとともに預けビニール傘を借りた。旅の道中強く感じたことだが、四国の車は総じて運転が荒い。運転が荒く交通事故死の多いことで全国的に知られる愛知や北海道を嘲えないくらい、ルールやマナーのない走行が見受けられる。一方警察側も積極的に取り締まる姿が各県で見られた。
本館より銭湯の色合いが強いと思われた椿の湯は、隣に「飛鳥之温泉」が建ったことで同時改築したのか、意外と真新しかった。本館より10円安い400円で得した気になれたかと思いきや、コインロッカーでしっかり回収されガッカリ。本館の古風な浴槽を模したツルツルピカピカの浴場。じんとくる熱さに身体も目覚める。


本旅唯一の宿提供の朝食。海苔、卵、焼き魚などのシンプルな和朝食。会場のレストランには5組ほどの膳が用意され、静かで落ち着いたムードが漂う。施設の性格から退職者などが多いと思ったけど、意外に客層は普通だったし素泊まりよりはきちんと朝食を付ける方が多いようだ。
8時過ぎにチェックアウト。晴れていたら道後公園湯築城跡)を散策しようとも考えていたが、天候上割愛。イカラ通りをゆっくり覗いて回る。今治の「バリィさん」よりも「みきゃん」ちゃんグッズのが圧倒的に多かった。とくに「みきゃん」ちゃんTシャツは寝巻用に買いたくもなった。また、ポンジュースが愛媛原産であることも初めて知った。さすがミカンの国。

坊っちゃん列車

2月に道後温泉を訪れた両親は乗らなかったというが、私はたとえ一区間でも都合をつけて乗ろうと思っていた。子供連れに交じって始発の切符(800円)を買う。


引き込み線より方向転換して入場するところから必見。
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そもそも坊っちゃん列車とは、伊予鉄道軽便鉄道時代に運行していた機関車がけん引する列車のことで、夏目漱石の小説『坊っちゃん』に「マッチ箱のような列車」と記述があることが愛称の由来である。観光の目玉として幾度も復元構想が持ち上がり、2001年に運行開始。現在は沿道の煙害などを考慮し、ディーゼル動力で運行している。路線は古町~道後温泉(JR松山駅前経由)と松山市駅前道後温泉の2系統。
さて整理券順に客車へ案内され、二両目へ乗り込む。意外にも即時満席とはならず、車掌らが呼び込みをして車内で切符や割引券などを販売する。木製のトロッコのような客車で、一両目と二両目は移動できず走行中はデッキに出てもいけない。それでも汽笛を鳴らしながら市内をゆっくり走り、沿道から注目を浴びるのは存外気持ちいい。カーブを曲がる際、一両目の屋根にパンタグラフが載っているのを目撃。本物の汽車が引っ張っていると思い込んでいる子供たちの夢を消すよな。まぁ実際はポイント切替専用で、動力には一切関与しないらしい。当初は松山城最寄りの大街道で降車するつもりだったが、終点の松山市駅前駅構内で機関車の方向転換が見られるということで乗り続ける。
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渡り線の中央で車体下部からジャッキを出して持ち上げ、鉄道員が回転させる。このあと機関車は自走するが、客車二両は人力で転がして折り返す。せめて片方向くらい汽車に牽引させられないものか、と鉄道員を気遣わずにいられない。この列車を見送った後、環状線内回りで大街道方面へ戻る。ちなみに松山市駅近くにあるという「坊っちゃん列車ミュージアム」を乗継の合間に訪れようと思うも、見つからず。

松山城

一般に松山城(および坂の上の雲ミュージアム)へは大街道が最寄り駅とされている。しかしそれは観光客を商店街へ誘導するためであって、アプリの地図をひらくと東雲口(ロープウェイ乗り場)に最も近い電停は上一万であることが分かる。(帰りはさらに道筋が分かりやすい警察署前電停を利用。)道標などは一切ないが、六角堂を目印に曲がると意外と迷わない。東雲神社脇からリフト沿いに急坂を登る。木立が雨を遮ってくれるのは有難いものの、濡れた斜面は滑りそうで怖い。20分ほどと聞いていたが、15分足らずで登りきる。団体ツアーと前後して解説を聴きつつ、高く精巧な石垣や筒井門などを見学。本丸広場より望む天守は木々に遮られてあまり絵にならない。大天守をふくむ本壇は複雑な門で囲まれ、堅固な造りだ。

松山城

松山城は、「賤ケ岳の七本槍」の一人である加藤嘉明により築城が始められた。大天守は日本に現存する12天守の一つで、1933年に焼失し復元された本壇の建築物とともに重要文化財に指定されている。大勢の見学者で混みあい梯子や通路は狭いので、あまり歴史を追わずにざっくり観覧。天候のわりに天守閣からの眺望は良かった。高知と同様、松山の高所からも海は望めないことを知る。


本丸広場の茶屋で、いよかんソフトクリームを買う。高知のアイスクリンよりは特産活用らしくて宜しい。果肉のジュレがたっぷりのっていて美味い。

伊予鉄道


坊っちゃん列車も間近で見ると猛スピード。そもそも機関車列車がプラットホームを通過するのも時代錯誤だし、ましてや併用軌道ってのが異次元。

また伊予鉄は、高齢者や身障者に優しい低床車両も運行している。乗車機会のないのが残念

そうして呑気に電車ウォッチを愉しむうちに、次また次も道後温泉行きばかりなのに気づく。一応時刻表どおりではあるのだが、しだいに不安になってくる。せっかく住宅街を縫って走る専用軌道区間を優雅に愉しむつもりだったのに、分刻みでJR松山駅前までの時間を先読みしながらハラハラする格好に。それでも、病院前とか停留所付近の小さな商店街だとか、生活密着型の交通機関の側面が垣間見れて良かった。城南の中心部区間とは対照的な、単線で観光っ気に乏しい裏の素顔だ。

宇和島のリベンジというか、さすがに松山なら駅弁くらいあるだろうと期待。しかし短時間で探し出すことはできず、またもコンビニ弁当に甘んじる。今日は特急しおかぜに乗りこんでの昼食。バースデイきっぷ使用3日目の午後にして初めて、電車に乗る。もはやJR四国に電化路線はないのか、とさえ思ったものだ。特急電車は気動車と揺られ方が異なるので気をつけたい。

西条(鉄道歴史パーク)

プランの起草段階では、空腹のまま今治に降車し「バリィさん」のモチーフとなった名物焼き鳥を食べるつもりだった。ところが、本来焼き鳥は酒の友であり、夕刻以降にしか提供しない店ばかりだということが判明。また、B級グルメ焼豚玉子飯にも惹かれたが、より執着の強い焼き鳥か今治通過かで選択を迫りつつ、一時間ほどで楽しめる予讃線沿線の途中下車駅を探していた。すると、石鎚山登山口でもある駅前に鉄道博物館、市内随所に「うちぬき」と呼ばれる地下水の自噴井がある伊予西条を発見。「バリィさん」断念に踏ん切りがついた。
伊予西条に降り立ってみて、ちょっと苦になる弱い雨と小一時間の制約から「うちぬき」巡りは中止(駅ホームにもあるのは知らなかった)。駅前東側に位置する、鉄道歴史パークin Saijo。まずは国鉄道文化館(北館)から。入館料は北館・南館共通で300円。初代0系新幹線と、DF50形ディーゼル機関車が迫力満点で屋内展示されている。DF50形は予讃線から引き込み線で収められており、日本で唯一走行可能である。

0系新幹線と、DF50形

むかし名古屋市科学館にも展示されていた0系新幹線の運転台が懐かしくて、我も我もと特等席を奪い合う子供たちの合間を縫って拝見させてもらう。またリクライニングでない客席も珍重である。ほか、特急のヘッドマークなど鉄道パーツも展示されている。それにしても板張りの床から実物の鉄道車両を見上げ、じかに触れられるのは本当に強烈で圧巻。
愛媛県出身で国鉄総裁や西条市長などを務めた、十河信二記念館。「新幹線の父」と呼ばれ、東海道新幹線建設の実現に尽力。大阪から遊びにきた孫に「おじいちゃんが大阪まで2時間くらいで行ける電車をつくってやるからな」と言ったエピソードが、新幹線への並々ならぬ情熱を感じさせる。そして、四国新幹線の実現は彼の遺志を継ぐことになろう。
跨線橋を渡って、国鉄道文化館(南館)

フリーゲージトレイン

四国の名勝古跡を散りばめた大型鉄道ジオラマを、ナレーションを聴きながら小旅行。アンパンマン列車が走り回り、子供たちは大はしゃぎ。

伊予西条駅(復元)に接車したC57蒸気機関車、キハ65形急行用気動車


そして、DE10形ディーゼル機関車がズラリと鎮座している。とくに急行列車のシートは居心地よく、窓下に設置された小テーブルにはセンヌキがついていることを発見。ささやかな知恵に心中拍手。好きな鉄道展示で昼飯以上にお腹いっぱいになる1時間であった。

香川

東へ進むにつれ、海岸線を望む機会が増える。とくに県境近い箕浦の辺りでは、手を伸ばせば海面に届きそうなほどギリギリを行く。古銭「寛永通宝」の砂絵がある観音寺も、駅との距離により却下されたスポットの一つ。土讃線と合流する多度津にて、快速サンポートに乗り換え。都市圏の快速電車というよりは地方鉄道の急行と形容するほうが相応しく、ガタゴトとかなり気張って走る。この頃はもう土砂降りな雨。

高松

讃岐の県都、高松にて四県制覇。


ここは駅ビル撮るだけで、すぐに普通列車へ乗り継ぐ。高徳線はふたたび非電化路線。

栗林公園

特別名勝に指定され、日本三名園*1よりも木や石に風雅な趣があるとされる庭園。修学旅行では全く対象外だった高松の名所を見ておきたくて、開園時間が日没までということで、予讃線行程をやりくりして16時半に滑り込めるようにしたのだ。しばし小康状態だった雨も栗林公園北口駅から入園したとたん、本降りになった。湖畔のあずまやもそう長くは凌げないし、商工奨励館や民芸館も17時までで閉めてしまう。終始傘をさしたまま遊園することに。

雨粒跳ねる群鴨池

栗林というけれど、随所で松の木の存在感がある。

新日暮亭の降蹲踞(おりつくばい)や樋桶滝

一番の絶景は、偃月橋芙蓉峰から望む湖。背後の紫雲山に抱かれた感じがいい。

時を忘れ、小腹の空くまでのんびりと散策。

園内で次の行程を考える。じつは「バリィさん」の埋め合わせじゃないが、高松の骨付き鶏というのをちょっと注目していた。夕飯はまず軽めの讃岐うどんを食べてから、骨付き鶏で一杯飲もうと目論む。東門と琴電栗林公園駅の間を検索すると、「上原屋本店」で讃岐うどん、「骨付鶏・あづま」でテイクアウトし高松駅近くで休憩しながら飲食というコースが生まれた。ところが、さっそく「上原屋本店」へ赴くと営業している気配がない。うどんの町だから一軒にこだわることもないが、雨のなか歩かされ空腹は切迫している。さらに骨付き鶏のほうも開店前で肩透かし食った。もはや移動するエネルギーもなくて、コンビニでパンを齧るひとときが空しかった。

琴電

さすがに撮り鉄する気力はないけど、琴平電鉄にはちゃんと乗る。190円の切符を買い、通勤客や学生で混雑するホームに立つ。わずかに3駅分だけど、ターミナル瓦町も通ったし地方鉄道のムードを味わえてよかった。


晴れていたら夜景を楽しむ予定だった高松城高松港の脇を通る。公園は有料なのでまぁ外せてよかった。

さぬきうどん

高松駅前へ戻ってきて、すぐに目についためりけんやへ飛び込む。釜玉系は断られて残念だったものの、肉ぶっかけうどん冷(大)を頼む。これが普段食べている丸亀製麺のうどんと全く同じだったので、少し物悲しかった。本場だからもっと感激するかと思ったのに。


うどんの量と肉量が相まって物凄い腹ふくれた。思えば本旅、昼は夜須のラーメンを除き簡素な弁当、その対照で夜はボリューム満点の名物料理ばかり食べているなと。

食後は無理に遊び歩かず、キヨスク高松銘品館のお土産を冷やかして過ごす。香川のみならず四国全域の物産を取り扱っている。めりけんやの贈答用讃岐うどんが並んでいて、店選びは間違ってなかったことに安堵。ちなみに高松の歓楽街は、片原町方面にアーケード街があるらしい。天候と余力があれば十分行けたし、そのための約4時間滞在でもあった。

一周を遂げて

一周の締めくくりとなる特急「うずしお」は、唯一自由席が満席並みの乗車率。帰省や行楽の家族連れなどで埋まっていた。この列車、高松始発ではなく、本州岡山から渡ってきている。当然車窓は真っ暗なので転寝していく。鳴門線が分岐する池谷で気がついた。ここから短距離を鈍行に乗る案もあった。
三日ぶりに徳島駅へ帰ってきた! 四国一周完遂とちょっと懐かしい徳島帰還に、ヨーグリーナで祝杯。この21時過ぎ着でもまだ、徳島線牟岐線の乗継列車があるのは驚き。また、駅地下には真新しい飲み屋街があり大いに賑わう。

バースデイきっぷ」で完結し0時過ぎの夜行バスに乗る原案を、徳島の配分のため1日延長した。そのため、今晩の宿泊費と明日の帰路費用を合わせて高速バス利用以下に抑えたい計算があった。そこで選ばれたのが、ラクゼーション&スパNEXELというちょっと特殊な宿である。男性専用の半個室タイプを9時間滞在で2500円という格安ホテル。22時inで翌朝7時に出れば十分休まると考えた。また大浴場が入り放題なのも魅力。チェックインしてみれば、何のことはない、PCのないマンガ喫茶である。中からカギがかけられ、ソファは既にベッド用に敷かれ、Wi-Fiは使い放題。よくいうカプセルホテルより快適かもしれないぞ。貴重品は部屋置きできないが、ロッカーで管理できる。またタオルやバスローブも提供される。ただし、室内は飲食禁止。
スパガーラみたいな開放感ある浴場で汗を流し、空調の良い部屋に傘とマイタオルを干して就寝。隣ビルのカラオケが耳障りなのと、全体照明が淡いくせに気障り。目覚ましセットは控え体内時計に頼る。

つづく

*1:水戸偕楽園、金沢兼六園、岡山後楽園。すべて観覧済み