農民工の出身最多ともいわれた河南に一時期住んでただけに、この問題は一生気になる。
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郷里の家族のために、北京のバイク配達で稼ぐ農民工
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10年前と比較して第二次産業就業者の10%が、そっくり第三次産業へスライドしている。この中国版ウーバー事業の爆発的発展は、工場や建設現場での集団労働とちがって個人の自由度を多少広げた。それでも競争は激化するしコロナなどの情勢制約もあって、決してラクに稼げるわけじゃない。自身も働き続けられるだけの生活を維持しながら、故郷への仕送りを最大限にするのは大変なことだ。北京と地方各省との年収格差は未だ大きい。省都ぐらいが大都市に発展していて、離れた農村部はこの10年20年大差ない経済水準だったりする。
ゼロコロナ政策下での農民工就労事情
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冒頭記事の動画で、郑州の現場で日当50元を支給されている映像があった(不確か)。あれから5年ほど経った北京で、10時間働いて日当300元か。仕事にありつけなければ日収ゼロとなる日雇い労働市場では、条件良い方じゃないかと思う。俺ならやる。ゼロコロナ政策下では居住区ごとに封鎖とか頻繁にあったようだから、働きたくても求職にいけない日も当然発生する。定職についている人が突然出勤・退勤できなくなったり、飲食に困ったりするのとはわけが違う、死活問題に直面する。そもそも農民工っていうのは、カオスな中国で人民管理がずいぶん進んだなか、唯一コントロールしきれない流動労働資源だ。流動型なのだから保障も保護も受けられないのは仕方ない、と切り捨てながら、都市経済への貢献は散々利用している。そろそろ歪みの将来的自然消滅を期待するんじゃなくて、一労働形態として認識する必要があんじゃないかな。