南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

心理戦(第二戦)

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 この際だから、イラク戦争に関するものは連続で書いていこう。このたびイラクへの復興支援と称する自衛隊派遣が国内で問題となっているように、現地では、もはや戦争は終わったかに見える。戦後だから復興と言えるのであり、まだ戦闘状態ならば復興と言うのは問題外である。しかし、現実には日本人外交官2名が旧政権(?)の残党勢力に襲撃されて亡くなるなど、非常に混乱している。これで本当に戦闘は終わったのか、という問いは現に民主党や他の平和団体からも投げかけられている。しかし、この問いに筆者なりに答えるならば、先の団体や組織のような回答にはならない。確かに、戦闘は終結していない。が、技術力と各国の圧力による戦闘は終了した。読者の方は11月の第4木曜日を覚えておられるだろうか。筆者はあの日を「Force 去らず Day in Nov.」と評した。アメリカのクリスマスや独立記念日と並ぶ大行事「サンクスギビング」である。あの日、米国の大統領J.W.ブッシュは、秘書にすら無断で、イラクに赴き兵士達とこれを祝った。戦闘の続く当地に一国の指導者自らが赴き、さらに自国の文化を漫然と公開する。もはや、米軍はここから去らないということを表明する演技であった。また、先日のサダム・フセイン元大統領の拘束時、大統領の健康診断のシーンを大胆に公開し、彼が市民レベルに成り下がったことを強調した。一方、イラクの残党勢力、バース党支持者、さらにはイスラム過激派組織の攻勢も衰えることは無い。トルコでの大規模テロ、日本への本土攻撃布告など≪9.11≫から考えれば現実になりうる脅迫を続けている。米国本土を攻撃せず、その同盟国を叩き潰す戦略だ。この状態は、どこか冷戦に似ている。そう、パフォーマンス合戦である。相手にどれだけインパクトを与える活動ができるかに、現在の問題はある。日本人に分かりやすく言うなら、兵糧攻めだろうか。もはや、武器を持って戦う戦争は終わった。だから、自衛隊は戦争をしに行くのではない、という主張は正しく、平和憲法も守られる。しかし、ここには新たな争い、即ち心理戦があることを認識していくべきだ。派遣は米国の同盟国としての平和的パフォーマンスになる。結:それでも日本は、派遣をためらいますか。【2003/12/23/PM】