南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

出口の無い回廊

愛知万博で案内をしていて、最も困るのが、ループ回廊の下に降りるスロープの少なさだ。グローバルハウスに下を通って行きたいのに、降りる場所が見つからない、と訪ねる人数知れず。ところが、「ゆったりなだらかに車椅子でも楽々」をモットーとしているだけに、大変長く距離を必要とする。したがって、スロープの数を減らさざるをえない要因となるのだ。かなりの距離を歩かねば、スロープに達することができず、真下のトイレに行きたかったとか、歩いているうちに唯一の降り口を通過してしまったとか、レストランが下にあるのに何でこんな大回りをしないといけないのか、と苦情を受けるのは案内係なのだ。

要するにループ回廊というのは、都市高速の環状線や遊園地の場内バス路線のように、ある一定範囲を概観するためと同時に、早く域内のポイントを移動するためでもあるのだ。ここで降りたいという箇所に、出口や停留所が無いのでは、なんら意味がない。田舎のバスのように、「ここで停めて」などといって飛び降りれるシステムでもあれば別だが、回廊から飛び降りれば心中になってしまう。長くても良いから、クロスさせて数を増やすとか、もう少し工夫をしていただきたいと思った。