南蛇井総本気

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

九天玄女庙

水滸伝九天玄女登場シーンは非常に好きだ。吉川英治訳の『水滸伝』第四巻に出てくる、宋江が環道村で九天玄女に窮地を救われ同時に兵書を授けられる場面は、その訳文の美しさもあって何度も読み返している。豪傑が戦ったり酒肉を食らったりする痛快さや、奸臣に貶められて賊へと流れてゆく物悲しさが中心となる物語において、清らかで神秘的な異世界を醸すシーンでもある。
原文と思しき文章を見つけた。
水浒传九天玄女授宋江兵书的故事 - 百度文库
だいたい訳文を覚えているので、中文をなぞるとスーッと思い浮かんでくる。第九巻かな、方臘との戦いに攻めあぐねているとき再び現れ助言を授けてくれる。
ja.wikipedia.org
九天玄女は、中国古代神話上の女神で戦術と兵法を司るという。道教神話の関係はまだまだよくわからないが、戦術と正義の神をリーダー宋江と引き合わせたのは、梁山泊が「替天行道(天に替わって道を行う)」の大義を掲げて立ち上がることを道教神も支持するという意味を持たせたかったのかな。
九天玄女は現在でも一部に信仰があるらしく、各地にいくつかの九天玄女娘娘庙が存在する。主要なものは甘粛省青海省など西部に所在するが、水滸伝ゆかりの地*1、山东省郓城(Yuncheng)县にも九天玄女庙があると知った。县城内の正確な所在地については一部情報が錯綜しているが、

九天玄女
宋江河的东岸,旷庙苏庄村北,有一座庙宇,当地人称为“玄女庙”或“旷庙”,这便是宋江得三卷天书的“九天玄女娘娘庙。
九天玄女庙-菏泽市郓城县九天玄女庙旅游指南より)

县城東郊の旷庙苏庄村というところにあるのが最も信憑性高いと思った。ちゃんと百度地图にも載ってる。

郓城县の九天玄女祖庙

郓城の水浒好汉城(地図上の左端参照)はもともと行くつもりだったので、別の情報で同所にあるといわれても好都合ではある。郊外にあったとしても何らかの手段を用いて拝観に行きたい。

で、なぜ九天玄女庙が河南雑記なのかというと、こうした水滸伝スポットは見過ごせないからやっぱり第二次商丘編から郓城は割愛できないなと。安阳や商丘は水滸伝ゆかりの地に近接するため、貴重な機会を逃さず行程に組み入れないと気が済まない。
jaike.hatenablog.jp

*1:郓城は、宋江,晁盖,呉用の出身地