これは知らんかった。
文化大革命の最中、台風によって発生した河南省驻马店市域の複数ダム決壊事故であり、世界史上最大級の水害事故。一説では24万人もの犠牲者を出したという。
驻马店は淮河の上流域に位置し、洪河や汝河などの支流も合流する。在住中あまり意識はしなかったが、河南では珍しく水運拠点(港)が点在する地級市でもある。当然同市や隣の信阳市などにはダム湖が散在し、河南旅游集信阳編の南湾湖や周口-驻马店編で通りがかった宿鸭湖もそれらのひとつ。中華人民共和国建国期の未熟で杜撰な工法で造られたダム施設が階級闘争に明け暮れる文革で適切なメンテナンスも受けぬまま、天災の直撃を食ってしまったとされる。また被災状況は十分に把握されずデータは近年まで隠蔽、さらに改竄されたとみられ、正確な全容は明らかになっていない。
今回熊本県の球磨川流域で発生した災害を見て調べたわけではなく、偶然Wikipediaをパラパラと閲覧していてそのページへ行き着いたにすぎない。愛着ある河南の史実に見識を深めながら、同時に我が国でも起きうる未曾有の災害をどう受け止め「史上最大級」にしないための対策を普段からどう講じるべきか考えるようにしたい。