先の日曜のリベンジ。ちょうどペルセウス座流星群極大期間なので、前夜に木曽か恵那の山で観測を目論むも、徹夜からの飯田線強行はしんどそうでやめた。その代わり当日を始発から乗り遊ぶことに。JR飯田線については19年前、同じ流星観測明けからの縦断を敢行済み。
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レイルラボが2005年以前を解禁しないことから、青空フリーパス圏外の岡谷~飯田間をカバーする18きっぷで再挑戦。ただ乗りつぶすだけでなく、早朝出発で途中下車も楽しむ。
レイルラボにおける今回の旅程
中央線(勝川~塩尻~岡谷)
台風7号襲来前の貴重な好天。5時起床で洗濯済ませ、6時出立。JR中央本線は、名古屋を離れる電車は始発が遅めで勝川は06:33が最早になる。最近、勝川駅前マックスバリュ脇の駐輪場は一日300円と割高になり、城北線勝川駅下に無料駐輪するかと思われたが、一歩離れるだけで24時間100円を見つけ安堵する。
日が昇り始めたばかりの車窓は清々しくてイイ。東濃の山々も少し新鮮に見える。ちなみに前夜の流星観測場所は、木曽・恋路峠を回避した場合、武並の中山道入り口を考えていた。山なみを眺めつつ、夜の条件はどうだろうなと。
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中津川ではいつものごとく、松本行き普通列車での座席争奪戦が勃発する。4分間は乗継に十分な時間だが、跨線橋は猛ダッシュの嵐となる。バカらしくて立ち席を選び、帰省客や行楽客に譲ってあげる。尤もこれから飯田線へと続く長距離行を控える身としては、塩尻までの丸2時間は応える。
木曽路に入ると、澄んだ青空と陽光を浴びる山々が綺麗だ。架線柱などに遮られないよう注意しながら、走行中に撮る。
野尻では外国人を含む登山客がめだって降りた。構えていたはずなのに寝覚ノ床は撮り損ねた。上松過ぎたところで、木曽川対岸の山腹に大きな神宮を認める。初めて見たな、あんなもの。
分水嶺の鳥居峠を越すと、松本方面へ出かける若者が多く乗り込んできて混雑する。塩尻目前で少しだけ座れた。
中央東線は辰野経由を乗りたかったのだけど、接続が合わない。塩尻の乗継は15分程度で駅そばは食えない。19年前は岡谷駅で食べた記憶があり、そっちに賭ける。ところが、
近年リニューアルしたのか、岡谷駅ホームはスッキリしている。無人キヨスクは現金不可で立ち食いそばもない。さらに10時過ぎでは駅周りの飲食店も開いてない。コンビニで軽食求めつつ、愕然とした。ひとまず天竜峡まで我慢だ。
飯田線前半(岡谷~天竜峡)
駅前をうろついていて座席確保を怠った。天竜峡まではフルに3時間。車中は18きっぷを利用した乗り鉄(奇人?)が目立つ。もういい加減記し飽きたけど、沿線住民のワンマン列車への不慣れなことには辟易する。2両目のドアが開かないことに右往左往するホームの乗客を何度見させられることか。乗り鉄クンがドア越しに必死で前寄り車両を指示するのも見苦しい。無人駅での降車(先頭車最前ドアのみ可)を、乗務員が繰り返しアナウンスする。ダイヤ通りの運行に障るし、地元なんだから慣れてくれよな。
車窓は主に天竜川側を眺めていく(陽当たりの都合)。
伊那市を過ぎ、駒ケ根へ至るころには地元民の乗降も減る。気ままに左右の車窓を選べるほど、座席も空いてくる。趣味とはいえ、長旅にダレてくるのも事実だけど。
飯田市内ではバス停のような近距離で駅が連続する。鼎(かなえ)や駄科(だしな)など、好きな響きの駅が目立つ。5分ほど遅れて天竜峡駅到着。
天竜峡
岡谷でお預け喰らった信州そば。一縷の望みをかけた天竜峡はしかし14時。とうに昼どきを過ぎており、ランチタイムの営業を終えた店ばかり。今日のタイムスケジュールは食事を完全に失敗したと悟る。天竜峡にある日帰りスパも、この後予定する平岡の温泉も、レストラン営業時間とまったく噛み合わない。そばどころか夕飯までまともに食えない事態に、空腹抱えて呆然とする。一日ダイエットと割り切り、乏しいエネルギーで景勝地を散策。
少しアーチ型の人道橋から見下ろすと、大きな岩や崖に挟まれた天竜川。今朝見落としてきた木曽の寝覚ノ床に比しても、十分見ごたえある。天竜ライン下りの乗船場は橋のすぐ上流にある。右岸の遊歩道を辿る。
高さ70mの巨大な一枚岩。天龍川の深淵に棲む龍が天に上ったとき、崖に突然出来た「龍の化身」と伝えられている。柿其渓谷にもこんなのあったが、あれは滝か。
橋の対岸は行きどまり。左岸からの観賞は断念。
また、吊り橋の下流にわずかに覗く、
近年できたばかりの、峡谷と飯田線を跨ぐ大橋。まるで雲上から見下ろすような光景が楽しめるようだ。秘境駅千代駅とも近い。
限界に達した空腹は、駅前フクザワ商店の手づくりあげもちに救われた。ほんのり甘くて優しい醤油味。
平岡(ふれあいステーション龍泉閣)
豊橋まで乗りとおす鉄道ファンらを尻目に、もう一つ”降り鉄”。
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駅舎と温泉旅館が一体化している龍泉閣。400円で日帰り入浴を楽しめる。長良川鉄道のみなみ子宝温泉駅みたく、電車の時間を気にせずギリギリまで休息できる。宿泊者向けの小ぶりな内湯は落ち着く。同じ天龍村の天龍温泉おきよめの湯から引いているという湯はやわらかい。また湯加減も肌に優しく、ゆっくりと浸かれる。結局一日ありつけなかった悔しさから、地産の栃の蕎麦を売店で土産に求む。アイスを齧りながら、駅近くを散策。
飯田線後半(平岡~豊橋)&帰途
温泉で身がほぐれたからか、乗車後すぐ転寝。小和田などの秘境駅をことごとく見落とす。大嵐駅直後に目覚めたのはまぁ救いでもある。大嵐前後の長いトンネルを抜けると窓ガラスが曇る。
第6水窪川橋梁、通称”渡らずの橋”。向市場と城西の間に位置する、未成トンネルに代わって造られた山肌迂回策。水窪川を渡るかに見えて、右岸堤防をかすめるように左岸へ戻ってしまう奇観。ちょうど迂回部分の斜面が崩れており、地盤の弱さが改めて窺える。
佐久間レールパークが閉じられてから、佐久間も中部天竜も寂しくなったな。この辺りは飯田線が私鉄時代に最後に開通したところ。およそ100年前、三河川合から天竜峡まで双方から延伸して一本に繋がった。平岡駅に、三信鉄道の開業当時の様子が古写真等で展示されていた。
さんざん食事を逃してきたから豊橋では定食をガッツリ食べようと思ってたのに、結局選んだのは豊来軒の味玉入り醤油ラーメン。必要だけ満たしたらさっさと帰りたかったんだろうね。特別快速は、ガイシホールでのイベント開催により、笠寺に臨時停車する。金山で降りれないかと思い2駅分だし、と席立ったけど大して乗ってこなかった。もう21時過ぎだというのに中央線は混んでた。途中で計4時間の休憩をはさみながら、15時間半の乗り鉄旅を完遂した。正直勝川に着いたときは眠かった。毎回難しいけど、こんどは岡谷~天竜峡で途中下車を楽しみたい。
終