南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

濮阳(Puyang)

濮阳は、中心・西站とも30分毎で出ており、各々40元・35元である。5元差で、アクセス費が1元・2元だから実際は4元。西站発が今一つに感ずるので、今日は中心を選ぶ。因みにこの値段の差は何だろうね。新乡も濮阳も距離的には中心より遠いはずだが。中心が全国基準だと思ったら、復路は41元。なんで帰りのが高いねん。中国は分からん。
8時出発、2時間で长垣(Changyuan)着。30分停留して後方のおそらく西站発のに乗り換えさせられて、再び出発。空いていたから人数整理しやがった。高級車価格で40元なのに、後半はボロバス(即ち運賃の差はバスの質によるものなのか)なのだから不満。长垣経由とか尉氏経由とか、場合によっては汽车站に入ることもあるようだ。調整で。せめて高級車にまとめてほしい。因みに长垣−濮阳間は10元。1時間強。エンジンがヘッポコなのか、運転手が下手くそなのか、ガクガクする。省道基本なので安阳域内が長いらしい。道理で安阳(E)ナンバーが多かった。滑县,道口etc.
想定どおり12時半に下車したが、おトイレと地図を探すのに時間を要した。濮阳の公衆トイレは大概無料なようで、一類、二類などと区分されている。濮阳はキレイな街だと学生諸君から聞いていたが、相違ない。ここまで最優秀だった许昌の右に出ないとも限らない感じ。惜しむらくは、終盤になって気づいたがキヨスクが少ないな。开封は数百メートルに一個以上あって、雑誌や地図を買える。许昌もキヨスクで地図を買った。濮阳にはこれがちっともない。歩道が割と広くて歩きやすいのだから、所々設けてもいいのでは? 結局地図は汽车站内で買って5元。最高値を更新したということは、余程外で買いにくいということ。雑誌の平売りをよく見たのもキヨスクが少ないからで、これは改善したほうが良い。それと胜利路・京开大道の交差点は濮阳市の中心なのだろうか、ロータリー式になっているがアレ信号式じゃないと危険。濮阳の交通マナーは割と良いけれども、一番交通の要所で広場をぐるぐる回すのは歩行者に酷。ロータリー式は歩行者が比較的少ない交差点、とくに外環路に設けるもので、その点开封は優秀。一応北と東には歩道橋が造られているが、西を渡る人も多いよ。環状歩道橋ならOK。
河南地図で分かることだが、市の中心を貫く京开大道(北京と开封を結ぶ、な訳ないか)は東方のG106とほぼ並行している。中国の現在整備された国道はほとんど都市をバイパスして通っているので、京开大道が旧街道であった可能性が高い。勿論改革と発展の中で、沿道は開発されてしまったが、通りの名と道の形状、そして整備された数少ない景点から推察することができる。長途バスターミナルは、市长途汽车站よりも飞龙车站の方が主力で、規模も勝る。その他开州站、信达站など廃れたのがあるが、全て京开大道沿いに位置している。一方の鉄道は濮阳駅よりも、地級市内をかすめるように通る京九线の台前駅に頼っている。バスターミナルから台前駅までシャトルバスがある模様。濮阳は石油化学産業が盛んで、貨物線として京广线から鉄路が延びてきているが、如何せん人の移動には都合が悪い。良い街なのに人の出入りが少ない感がある。
地図は先ず放棄してトイレを済ませて、包子を一籠(范县包子と表記した店が多かったが)買って歩きながら食う。餃子が丸みを帯びたような形をしている。濮阳はさして大きくない町だと踏んだが、実際ターミナルから戚城公园まで公交2,3区、充分歩行範囲。市バス路線も20〜30くらいで开封並み。
子路の墓を過ぎると、西方へ古城路が延びている。これが名のとおりとてもよい雰囲気なので、公园まで達してなかったが入ってしまう。広さがあって明るい。石畳が綺麗。店舗が伝統工芸品を基本としており、現代ファッション臭くない。ていうか、これほど工芸品が並んだ街を、中国に来て初めて歩いた気がする。禹州で期待したような钧瓷の店もあったし、書画、十字繍。名が知れている开封よりもマイナーな濮阳の方が充実している。惜しいよな。多少舗装の悪い(壊れた)部分が目立つものの、建物から全体的に眺めて気持ちがいい。
 
古城街の町並みが途切れたところが戚城公园の北門で、戚城遺址はやはりココ。門票なのか、イベントの入場料なのか、今ひとつ分からない10元。引換券が付いている。春節限定門票なのか? 北門は裏口で、本来は東門から入って北門で出て古城街を歩くのが良かったみたい。逆行。郑州の管城遺址よりは堅固な盛土城壁がある。公園の4分の3程度がこの壁の中にある。かつては様々な建物があったようだが、現在は庭園を含む普通の公園に整備されている。龙亭公园のような古都を誇張する大々的作り物が少ないだけ、公園として休まる感じがする。古城遺址を示すものは全て城壁の外4分の1に集約され、棲み分けができているのだ。公園側をゆっくりと散策して、春節期間の他の旅行のようにセカセカ歩き回るのと違った落ち着いた気分になる。(尤も中心部の広場では騒がしいイベントをやっていて、日本の桜祭りなどを思い出す。)本来は多くが花园なので、花が咲いていないこの時期は少し惜しい。
東門付近には宮殿と戚城文物陳列館がある。後者は参観料10元で、これが値の割に内容が乏しく、售票も不便なので多くの人が票なしで進入している。これは5元でよろし。一応企画展として、「中华第一龙」研究について文物を陳列している。「中华第一龙」というのは、戚城の南方で発掘された中国最古の龍を模ったらしい遺物を名づけたもので、人骨とともに埋葬されていたようだ。この事情からか、濮阳には龙の付く地名や道路が目につく。飞龙车站も一つ。第一龙発掘現場までは更に数キロ、行けばよかった。

最後に東門を昇って濮阳四方を一望する。4,5階程度でほとんどの屋根を望めるというのは、开封と同じであまり高層がないということ。良い町だ。开封よりも住むに値する。空気もさほど悪くない。地理と対外交通の問題かな、濮阳は。
門前には土産物店もある。古城路口まで工芸品店も続いている。帰りは公交を試そうと思ったが、路線が読めないので諦める。歩いている途中で大便意に襲われトイレまで恐怖の体験をした。どうも包子を不衛生に食べたらしい。
飞龙车站から、开封と郑州は流水になっている。16時半発、长垣経由(站には入らず)で19時半頃开封中心站。珍しく公交の残っている時間帯なので、18路で帰宅。

(画像は全て2014年06月撮影)

(map:濮阳戚城遺址)