刈谷球場での高校野球観戦の前後を利用して乗り鉄。朝一の蒲郡線は確定していて、試合後に河和線の新駅区間を埋めようと、JR共和駅と名鉄太田川駅を結ぶ知多バスで短絡する計画だった。昨日終日雨でグラウンド状況次第では開始時間を遅らす懸念もあり、その場合は河和線も試合前に回せると考え、共和ー太田川ー知多半田・半田ー緒川のルートを控えていた。今日はフリーきっぷ等を一切用いず、道中の何気ない運賃計算から急遽緒川からの逆パターンになった。新駅区間を折り返すなど捏ねまわすより、知多半田から金山まで690円が思いの外安くて惹かれた。
鉄道乗車記(鉄レコ)「2024.6.29」 乗車距離144.3km by Nanjaiさん | レイルラボ(RailLab)
午前の部(名鉄蒲郡線と安城支線跡)
母校中村の初戦は、刈谷球場での第二試合(11:15開始)に予定されている。普段なら間に合う程度にJR逢妻駅を降り立つのだが、蒲郡線のために出勤時間より早く家を出る。名駅12系統の名古屋駅到着はダイヤを乱しそうで新快速乗継に際どい。レイルラボのおかげで気にするようになった車両番号、新快速にしちゃなんかボッサい電車が来たなと思ったら車中に番号がなくて降車時に腹を確認(東海311系)。JR三河塩津駅と名鉄蒲郡競艇場前駅は接続していて、蒲郡まで完全並行する。蒲郡線乗りつぶし目的でなければ三河塩津乗換でケチるところだ。じつは蒲郡線を吉良吉田まで乗った後の刈谷方面移動について、3方面の時間と運賃をつぶさに検討した。すなわち、蒲郡線折り返し(三河塩津乗換)、西尾線(安城でJR乗継)、ふれあいバス(旧三河線)碧南経由の3通りにおいて、西尾線安城経由が最も効率的と判断した。新安城ー知立ー刈谷市などと回ってしまうと名鉄運賃がバカにならんので、JR安城に近接する南安城で乗換。なにしろ、
IC不可の蒲郡線に乗るため、蒲郡駅から南安城まで買ったきっぷが900円もしたのには唖然(名古屋~蒲郡のJRが1000円なのに)。名鉄の中でも特段割高なのは、廃線回避のための維持費込みなのだろうかね。
蒲郡駅ホームに上がると、見慣れぬツートンカラーが入場してきてビックリ。かつて西尾・蒲郡線を走っていた5500系をイメージした復刻塗装で、1編成のみらしい。たしかに擦れ違う電車はみな赤電だった。いい記念。
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終点吉良吉田まで2両目のドアは開かない。車窓を期待して2両目の海側に陣取る。西浦辺りまでは民家が線路際まで建つ駅が多く、ローカルムード。沿線をぽつぽつと彩るアジサイの花。そいえば形原温泉にあじさいの里ってあったよね。手すりなどが錆びついたこどもの国駅の寂れ感がハンパない。一番海が見えるのは東幡豆付近で、意外と海岸線には接近しないと知る。前島・沖島といった小島は終始見えている。あまり目ぼしいスポットもないけど、全線フリーきっぷを使えるときに改めて”降り鉄”を楽しみたい。
吉良吉田駅では、蒲郡線電車は旧三河線ホームにまっすぐ突っ込んで停まる。荒廃したホームが対面に遺る。西尾線の\ホームとは直に接続せず乗換改札を挟む。蒲郡線が、三河鉄道(旧三河線の前身会社)の蒲郡方面延伸で建設された経緯を知らぬ現代にはやや不自然な形。西尾以南は廃駅間引きが進み、1駅間が長く感じられる。この電車、急行(弥富行き)なのだが、西尾以北の通過駅が少なく、準急設定でいいよな。
かつて、南安城駅からは国鉄安城駅とを結ぶ貨物輸送支線が延びていた。日中戦争時に建設されて貨物輸送を開始し、戦後は一時期旅客営業も行ったが1961年に廃止された。路線跡は現在も、住宅地の中に緩やかなカーブを描いてはっきりと残っている。
デッキ構造のためロータリーが薄暗く、出入りするタクシーや送迎車の警音が頻発する安城駅。地上に立つと駅前店舗をまったく見通せず、イラつく。老舗ぽいうどん屋の梅家さんが閉店を告げていたのもきっと、この粗悪な駅前設計のせいだと思う。もったない。特快と普通を乗り継ぎ、逢妻にて前半を終える。
午後の部(名鉄河和線新駅区間通過と、名鉄全線完乗宣言)
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勝利に酔いしれ、打球被弾の鈍痛を堪えながら緒川駅に向けて歩き出す。球場のすぐ南に大きなお宮があるのを初めて知る。勝利への感謝と、次戦の健闘をお祈り。風鈴の音が涼を誘う。
俄か祝杯の本麒麟を片手に上機嫌で、逢妻川と境川を渡る。距離感的には逢妻も緒川も大差ない。
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このとき車中から遠目に見たSLを間近でしばし見学。半田駅は現在も建て替え工事中で、仮設の駅舎。
快適さを期待して知多半田から乗った特急は、満員で蒸し暑い上に停車駅少なくて入れ替わらず、金山まで辛苦。通過駅名も読み取れない速度ながら、直感的に新駅加木屋中ノ池を認めることができた(実際には、高横須賀を通過して減速し始めたときに確信)。ここに於いて、
名古屋鉄道現行全路線の完乗を達成!
正直な話、大学通学に瀬戸線を常用する以外、地元ながら長らく名鉄を積極的に乗りつぶす意識はなかった。初詣企画きっぷを時々利用するようになって、未知の路線へ足延ばす意欲が芽生えた。そして最後は、レイルラボの貢献だ。JR東海と名鉄がシルバーメダルで並ぶも、新幹線や愛知県外を包括するJR東海より、完成しやすいほうをクリアした。近年は近鉄も積極的にクリアしており、JR東海に先んずるかもしれない。このモチベでかい。今後は降り鉄を楽しみながら、全駅制覇したいね。
終