南蛇井総本氣

南蛇井にとらわれた言語的表現の場

上海火车站2012(开封帰郷旅行オープニング)

2009年以来、ニート状態からフリーターとして現在に至るまで、公然と中国旅行に1週間以上費やすことは憚られてきた。昨年5月の上海ですらGWを選んで遠慮したものだ。しかし今回は、今の会社入職時である半年以上前から宣言しており、繁忙期を過ぎれば休暇を取れるものと考えた。それでも、仕事の少ない水曜日と日曜・祝日を織り込みキッカリ1週間に収めた。短期間でどれだけ充足させられるかも勝負のうち。この念願の开封帰郷旅行の目的は3つ。
1.電話やメールなどでは連絡の取れない开封人朋友に会うこと。
2.开封市内のこの2年余の変化を確認すること。
3.开封公交の路線網の変化を確認し、KaifengLRT作成(修正)の参考とすること。
何といっても1.が一番大きい。どれだけの顔馴染みに再会できるか、期待と不安を抱えつつ手土産を用意した。1.の結果は3月20日に、2.の結果は3月21日にそれぞれ報告する。
旅行記事一覧
03月15日:上海火车站2012(当記事)
03月16日:周口(Zhoukou)鹿邑(Luyi)(太清宫,老子故居)
03月17日:开封河南贡院碑
     开封州桥
03月19日:开封开封府
03月20日:上海南京东路(XO酱を求めて)(エピローグ)

开封への往路は先回(09年10月)と同様、阜阳(Fuyang)乗換を選択した。勿論2年余の間に鉄路ダイヤは大幅に変わった。しかし、晚上に上海を発し阜阳に向かう列車は相変わらず3本(上海南発を含めると4本)ある。利用客の分散が見込まれ当日でも切符を取れるだろう。今回は帰郷最優先ながら寄り道観光を挟むため、阜阳を通り越して亳州(Bozhou)を終点とするK8366次*1を選んだ。
昨年5月の上海旅行と同様、午前中は出勤。11時半に上がっても、金山13時05分発の特急中部国際空港行きに乗ればチェックインは間に合う。フードコートが混んでいるので、センターピアガーデンで弁当を摂り、搭乗。無声映画*2と多少の乱気流を楽しむ。
フライトは定刻だったが全て順調にいっても15分で地下鉄に乗るのはさすがに無理。18時頃浦东机场を出る。しかしこの一年で地下鉄運行の効率性はかなり改善されたらしく、1時間強に短縮された。中国の交通も捨てたものじゃない。因みに中心部の混雑回避として乗換駅を人民广场(1号线)から世纪大道(4号线)にシフトしてみた。火车站广场に上がると、小雨模様だ。地下道を介して售票大楼へ。電光掲示板を確認すると果たして読み的中、K8366次の残席はまだ200余あった。安心して並ぶが、誰もが皆身分証を手にしている。高速及び动车组の切符が記名式になったことは日本でも報道されている。しかし中国鉄路全ての切符購入に於いて身分証の提示が必要になったことは、今日の今日まで知らなかった。先ずは知らぬふりをして普通に購入を試み、求められたら提示することに。亳州(Bozhou)の発音が通じにくくパソコン画面をこちらに回して「これか?」と確認されたほかは、成り行きで済んだ。こうして初のパスポート番号記載切符購入に成功。因みにパスポート番号のアルファベットまで正確に印字したのは今回だけで、後の2回では数字のみ*3。〔列車情報:K8366次、上海23:42発-亳州09:55着、硬座106元〕
雨天のため、近くの食堂で水饺を食べ速やかに进站。09年10月より2年半の間に上海站はだいぶ変わった。北広场がリニューアルされ、进站口ができた。これにより2階の候车厅は従来の7・8番の奥(北进站口のエントランス)に新たな待合空間を増設。乗車時刻が0時近くまだ他の便で混んでいる指定の候车室を避けたい身には、このスペースは重宝。静かでゆっくり体を休める。また、薄暗かったコンコースはキヨスクや土産物店、カフェに書店が並び、さながらモールのよう。その合間に候车室が収まっている感じだ。随分と華やかになったものだ。冰红茶をちびちび飲みながら約3時間を頑張って潰した。
20分ほど前に改札。2年半前は工事中で梯子のような危ない階段でホームへ降りたものだ。これもキレイになって空港のような巨大屋根に覆われている。座席は窓側でもたれるのに都合良し。斜め向かいのボックスに、派手な衣類と化粧で身を包んだ、およそ硬座列車とは不釣り合いなギャル3人組が陣取った。これが音楽を鳴らし喋りまくり車内販売から食い物を買いまくっては食い散らかし、同乗者の快眠を妨げる。おまけに禁煙の車内(デッキは可)で平気で吸う。時折巡回する車掌も呆れたのか女に甘いのか、ちっとも注意せず足元を掃除してやっている。彼女らの通話を盗聴すると、合肥で誰かが迎えにくるらしく、合肥まで我慢せなかんのか。
ところで、各停車駅では列車の入線を喚起するサウンドが寂しく鳴り響いている。この音どうも聞き覚えがあると気になっていたが、帰国して分かった。JRのと同じだ。
周口(Zhoukou)鹿邑(Luyi)につづく)

*1:上述3本の中で最も遅い発車

*2:『夏日楽悠悠』。音声はイヤホン不使用のため。

*3:嘗て紙面の下部4分の1を占めていたバーコードはQRコードに変わり、身分証番号を記すスペースができたらしい